ビットコイン「3万ドル回復後に急落」巨額送金アラートとの関連性は?
ビットコイン(BTC)の価格は2023年4月26日に30,000ドルまで回復したものの、その後27日に午前4時頃にはわずか1時間で27,200ドル付近まで急落しました。
今回の価格急落の原因としては「巨額送金アラートによる影響」が噂されていましたが、これに対しては否定する公式発表も行われています。
ビットコイン価格、3万ドル回復後に急落
ビットコイン(BTC)の価格は2023年4月26日に30,000ドル(約400万円)まで回復したものの、その後27日に午前4時頃にはわずか1時間で27,200ドル(約360万円)付近まで急落しました。
その後は再び29,000ドル(約388万円)付近まで回復したものの、記事執筆時点では重要視されている30,000ドルの壁を越え切れておらず、記事執筆時点の価格は28,994ドル(約385万円)となっています。
2023年4月27日 BTC/USDの1時間足チャート(画像:TradingView)
巨額送金アラートと価格急落の関連性について
今回のビットコイン価格急落の理由に関しては、ブロックチェーン分析企業「Arkham Intelligence」のアラートに関連するツイートで、"マウントゴックスや米政府に関連するウォレットが大量のビットコインを移動し始めた"という誤った内容が拡散されたことで市場が反応した可能性があるとの意見が出ていましたが、Arkham側は価格急落との因果関係を否定しています。
このツイートは仮想通貨ニュースアカウントのDB(@tier10k)によってツイートされたもので、Arkham Intelligenceは27日に「バグ修正の結果、一部ユーザーに誤ったアラートが送信された」と報告していましたが、Arkhamはその後のツイートで『DBアラートの状況について調査を行った結果、"本件についてはArkhamのアラートが正確に送信されていた"という判断に至った』と報告しています。
今回の件については"アラートの誤作動"が疑われていましたが、ArkhamはDBがつけた「Mt Gox」と「US Gov」のラベルミスを指摘しており、BTC価格が急落したのが日本時間04:17〜05:01であるのに対して、アラートとツイートが送信されたのは日本時間05:07と05:08であるため、今回のBTC価格急落はアラートとツイートによるものではないと説明しています。
We have conducted an investigation of the DB Alert situation, and determined that the Arkham alerts were sent accurately in this case.
— Arkham (@ArkhamIntel) April 26, 2023
DB set two alerts on all Bitcoin transactions above $10k USD, with no counterparties set, then named the alerts “Mt Gox” and “US Gov”.
When we… pic.twitter.com/8OITiygNhL
DBアラートの状況について調査を行った結果「本件ではArkhamのアラートが正確に送信されていた」という判断に至りました。
DBは、相手が設定されていない10,000USDを超えるすべてのビットコイン取引に2つのアラートを設定し「Mt Gox」「US Gov」とラベル付けしました。
このような設定でアラートを送信しないバグを修正したところ、DBは自身のパラメータに基づいて多くのアラートを正しく受信するようになりました。不正確なアラートを受け取った人はおらず、以前に設定したアラートを受け取るようになっただけでした。
アラートもツイートも今日のBTC価格急落を引き起こすものではありませんでした。なぜなら、BTC価格下落が19:17〜20:01(UTC)の間に起きているのに対して、アラートとツイートはそれぞれ20:07と20:08(UTC)に送信されているからです。
なお「マウントゴックスに関連するウォレットからの送金」については"実際には送金が行われていない"ということも報告されており、「米政府に関連するウォレットからの送金」についても"4月26日に取引が確認されているが、その取引は0.19ドル程度の入金だった"とも報告されています。
考えられるそのほかの原因は?
今のところビットコイン価格急落の原因は不明のままとなっているものの、ArkhamはBTC急落が起きる前の2023年4月27日03:58に「Jump Tradingが合計2,660万ドル相当のBTCをBINANCE・OKX・Bybitに送金した」と報告しているため、これが売り圧増加につながった可能性があるとの見方も出ています。
今月19日頃から始まったビットコイン価格の短期的な下落では、一部で予想されていたほど大きな下落は見られていなかったため、大口投資家などの間でポジション調整が行われている可能性もあると予想されます。
長期的な視野でみると現在のビットコインは底値に近い価格帯で推移しているため、価格下落につながる重要なネガティブニュースがなかった場合には、短期的な下落はありながらも長期的には上昇が続く可能性が高いと考えられます。
ビットコイン価格予想では多くのトレーダー・アナリストが「今後のBTC価格上昇」を予想していましたが、今回の価格急落では約2億ドル相当のロングポジションがロスカットされたとも報告されているため、今後のビットコインの動きには注目が集まっています。
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