この記事の要点
- 2026年3月20日、米ホワイトハウスと議員が原則合意と報道
- ステーブルコイン利回り制限でCLARITY法案が前進
- 銀行の預金流出懸念に対応、業界対立に転換点
- 仮想通貨規制は制度設計段階へ移行する可能性
ステーブルコイン利回り制限で原則合意、CLARITY法案前進へ
2026年3月20日、ホワイトハウスと米議員が仮想通貨(暗号資産)規制の包括法案「CLARITY(クラリティ)法案」をめぐり、ステーブルコインの利回りを制限する方向で原則合意に達したことが明らかになりました。
米政治専門メディアPolitico(ポリティコ)によると、上院銀行委員会に所属する共和党のトム・ティリス議員と民主党のアンジェラ・オルソブルックス議員が、ホワイトハウスと協議のうえ利回り規制をめぐる妥協案で合意に至ったとされています。
今回の合意には、保有しているだけのステーブルコインに利回りを付与する仕組みを制限する内容が含まれており、銀行業界が強く反対してきた論点に決着の方向性が示されました。
この調整により、銀行業界が懸念してきた預金流出リスクに一定の歯止めがかかる見通しで、停滞していたCLARITY法案の審議が前進するとの見方が強まっています。
オルソブルックス議員はポリティコに対し「イノベーションを守りつつ、大規模な資金流出を防ぐ内容だ」と述べており、今回の合意の意義を強調しました。
一方でティリス議員は、最終合意に向けては仮想通貨業界によるレビューが必要だと指摘しており、詳細な条件はまだ公表されていません。ホワイトハウスは本件に関する公式コメントを出しておらず、交渉の全体像は明らかになっていない状況です。
なお、仮想通貨規制を主導するシンシア・ラミス上院議員は19日、「包括的な規制枠組みの成立まであと一歩」と発言しており、一部メディアは数日以内に合意内容が具体化する可能性があると報じています。
「今が最後の機会」クラリティ法案を急ぐ
利回り規制をめぐる攻防、銀行と仮想通貨業界の対立
法案停滞の背景にある銀行預金流出懸念
CLARITY(クラリティ)法案は2025年に提出された主要な仮想通貨規制法案で、当初は順調に可決へ向かうとの見方が広まっていました。しかし2026年に入り、ステーブルコインに利回りを付与できるかどうかをめぐる対立が激化し、審議は停滞しています。
この対立の中心にあったのが銀行業界の懸念です。低金利環境が続く中で利回り付きステーブルコインが普及することで、資金が銀行預金から仮想通貨市場へ流出するとの見方が根強く、銀行業界はこうした理由からCLARITY法案に反対の立場をとってきました。
こうした懸念に対し、ホワイトハウスのデジタル資産顧問パトリック・ウィット氏は、この見方は過度だと指摘しています。
同氏は「適切に規制されたステーブルコインは新たな資本流入を生み、結果的に米国の金融システムに利益をもたらす可能性がある」との見解を示しました。
Lost in the rewards/yield debate is how GENIUS-compliant stablecoins will actually lead to deposit inflows.
Global demand for USD is massive. Foreigners exchange local currency for stablecoins from a US-based issuer.
That is net new capital entering the American banking system.
— Patrick Witt (@patrickjwitt) March 12, 2026
報酬や利回りをめぐる議論の中で見落とされがちなのは、GENIUS準拠のステーブルコインが実際にどのように預金流入をもたらすかという点である。
米ドルに対する世界的な需要は非常に大きい。海外の人々は自国通貨を米国発行体のステーブルコインと交換する。
これは、米国の銀行システムに新たな資本が純流入することを意味する。
利回り制限合意が法案成立に与える影響
今回報じられた合意により、銀行業界が最も警戒していた「利回り付きステーブルコイン」の拡大には一定の制約が設けられる見通しとなり、法案成立に向けた最大の障壁の一つが取り除かれたと評価されています。
ただし、最終的な成立には仮想通貨業界による検証や、倫理規定を含む条文調整が残されており、ラミス議員側が示した「数日以内」というスケジュールが実現するかどうかは、これらの調整の進展に左右される見通しです。
SECとCFTC、監督権限の調整で合意
SECの姿勢変化も追い風、米仮想通貨規制が具体化
米国では現在、仮想通貨規制の整備が同時並行で進められています。
SEC(米証券取引委員会)も一部の仮想通貨について証券に該当しないとの見解を示しており、規制当局の姿勢には変化が見られます。
こうした流れの中でCLARITY法案も4月の条文審議に向けた準備が進められており、今回の原則合意はそのプロセスを後押しする動きと位置づけられます。
米国における仮想通貨規制は、これまでの議論中心の段階から、具体的な制度設計へと移行しつつあります。
仮想通貨規制関連の注目記事はこちら
Source:Politico報道
サムネイル:AIによる生成画像


























