米政権3トップ「CLARITY法案の即可決を」財務長官・SEC・CFTCが一斉要請

米政権3トップ「CLARITY法案の即可決を」財務長官・SEC・CFTCが一斉要請

この記事の要点

  • 米財務長官・SEC・CFTCの3トップが2026年4月9日に同日要請
  • 仮想通貨市場構造法案「CLARITY法案」の早期可決を米議会へ要求
  • 3規制機関が同日に揃い議会へ圧力をかける異例の展開
  • 政権主導で米仮想通貨規制立法が最終局面入り
目次

米政権3トップ「CLARITYを今すぐ可決を」

スコット・ベッセント米財務長官、SEC(米証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長、CFTC(米商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は2026年4月9日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY法案(クラリティ法案)」の早期可決を米議会に強く求めました

財務省・SECCFTCの3者が同じ日に揃って法案成立を後押しするのは極めて異例で、米国の仮想通貨規制立法が政権主導で最終局面に入ったことを示唆しています。

同法案が成立すれば、デジタル資産がSECとCFTCのどちらの監督下に置かれるかが明確化され、取引所の運営基準や詐欺防止措置も初めて全国共通のルールとして定められる見通しです。

これにより、米国の仮想通貨企業や投資家は、自分たちがどの規制当局のルールに従えばよいかを法的根拠に基づいて判断できるようになります。

CLARITY可決「今が時だ」政権トップが示す危機感

ベッセント財務長官「今こそ法整備を急げ」

ベッセント財務長官はX(旧Twitter)への投稿と同時に、ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿を公表しました。

寄稿の中で同長官は、明確な仮想通貨ルールを欠いたままでは「将来の金融の主舞台」が他国に移ってしまうと警告しています。

具体的には「アブダビやシンガポールのような規制の明確さを提供する地域がイノベーションを引き寄せている」と指摘し、米国が法整備を怠れば開発者と投資家が海外へ流出すると訴えました。

「次世代の金融が米国のインフラの上に、米国の機関に支えられ、米ドル建てで構築されることを確実にする」とも述べ、CLARITY法案の成立を米国の金融覇権維持と直結させる論理を展開しています。

米議会はこれまで約5年にわたり、金融の未来を国内に取り込むための枠組みづくりに取り組んできました。

いまこそ上院銀行委員会の共和党が審議(マークアップ)を行い、「CLARITY法」をトランプ大統領のもとへ送るべき時です。

上院の時間は貴重であり、行動を起こすなら今です。

SEC委員長「議会が動けばすぐ対応」

SECのアトキンス委員長も、議会への要請に加わりました。

アトキンス氏はXで「議会が動けば、SECとCFTCはすぐ対応できる態勢にある。悪質な規制当局への歯止めを設け、包括的な市場構造立法を前進させる時だ」と投稿しています。

SECは2025年に成立したステーブルコイン規制法「GENIUS法(ジーニアス法)」やCFTCとの仮想通貨5分類の共同整理を通じて、すでに実施体制の整備を進めてきています。

「Project Crypto」は、議会が行動を起こした際に、SECとCFTCが直ちにCLARITY法を実施できるよう設計されています。

ベッセント財務長官の指摘はその通りです。今こそ議会は、暴走的な規制当局に備えつつ、包括的な市場構造法制をトランプ大統領のもとへ進めるべき時です。

CFTC委員長「次の政権でも覆らぬ法を」

こうしたSEC側の動きに歩調を合わせる形で、CFTC側からも法案成立を後押しする要請が出されました。

元SEC仮想通貨タスクフォース主席法律顧問としてSEC・CFTC両機関の規制調和を推進してきたCFTCのマイケル・セリグ委員長も、ベッセント長官の呼びかけに同調する形でXに投稿しました。

同委員長は「ベッセント長官に完全に同意する。新政権下の悪質な規制当局によって覆されない法律で、米国のデジタル資産市場を将来にわたって守るべき時だ」と述べています。

さらに「アトキンス氏と私はCLARITYを実施する準備ができている」とも明言し、SECとCFTCの両トップが法案実施に前向きな姿勢を示しました。

私もベッセント財務長官に完全に同意します。米国のデジタル資産市場を将来にわたって守るため、新たな政権下でも覆されない法整備が必要です。

ポール・アトキンス委員長と私は、CLARITY法の実施に向けて準備が整っています。

4月マークアップ目前、銀行vs仮想通貨の最終局面

CLARITY法案は2025年7月に米下院を賛成294票・反対134票で通過し、現在は上院での審議段階に入っています。

上院銀行委員会はイースター休暇明けの4月中旬以降にマークアップ(修正審議)を実施する方針を示しており、これが完了すれば法案は上院本会議での採決へ進む見通しです。

一方で、審議の最終局面ではステーブルコインへの利回り付与をめぐる規定が最大の論点として残っています。

銀行業界は「利回り付きステーブルコインが既存の預金商品を侵食する」と主張して強硬な姿勢を続けており、調整に時間がかかっているとみられています。

欧州・アジア規制が先行、米国は人材流出を懸念

米国の立法が大詰めを迎える一方、海外では規制整備がすでに先行しています。

欧州では仮想通貨市場規則「MiCA規制」が2024年12月末に完全施行され、アブダビやシンガポールでも独自の仮想通貨規制枠組みがすでに整備済みです。

明確なルールを武器に各国が海外の開発者や投資家を取り込む動きが続いており、トークン化証券や分散型金融(DeFi)の拠点も米国外へ広がりつつあります。

こうした国際的な動きを踏まえ、米国での立法の遅れが人材・資本の流出につながるという懸念は、ベッセント長官をはじめとする行政内でも共有されてきました。

危機感が高まるなか、CLARITY法案をめぐる上院審議の行方が、米国が仮想通貨の国際競争で優位を保てるかどうかを決める分岐点となります。

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Source:スコット・ベッセント米財務長官X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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