この記事の要点
- スコット・ベッセント米財務長官が「CLARITY法案の早期可決」を議会に要請
- 仮想通貨の監督権限明確化で事業者の米国内回帰を後押し
「米国を本拠地に」CLARITY法案可決を要請
米財務長官のスコット・ベッセント氏は2026年5月28日、ホワイトハウスでの記者会見で、仮想通貨(暗号資産)の市場構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」を可決するよう議会に要請しました。
ベッセント長官は、規制の不透明さを理由に海外(オフショア)へ流出してきたデジタル資産事業を米国内へ呼び戻すことが法案の重要な目的だと説明し、「最も重要なのは米国を本拠地にすることだ」と述べました。
国内で明確なルールが整備されれば、投資家や事業者にとって規制上の不透明感が軽減されるほか、海外へ流出してきたデジタル資産事業の米国内回帰を後押しする効果も期待されています。
また長官は、すでに超党派で成立したステーブルコイン規制法に続き、CLARITY法案についても超党派の支持を受けながら審議が進んでいると説明しました。
「クラリティ法案はドル覇権の要」
SEC・CFTCの監督権限を法的整理
BTC・ETHを「デジタル商品」と分類
ベッセント長官が言及したCLARITY法案は、デジタル資産をどの規制当局が監督するかを法的に切り分け、米国の仮想通貨市場構造を明確化する内容として審議が進められています。
法案では、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など大半の銘柄を「デジタル商品」とし、CFTC(商品先物取引委員会)が監督する枠組みが示されています。
一方、投資契約に該当するトークンや証券性を持つ資産については、SEC(証券取引委員会)が引き続き管轄する区分が定められています。
同法案は2026年5月14日、約1年に及ぶ超党派協議を経て、上院銀行委員会で賛成15・反対9で可決され、上院本会議での審議へと進みました。
ベッセント長官、国内回帰の必要性訴え
ベッセント長官は、規制の不透明さがデジタル資産事業の海外流出を招いてきたとして、CLARITY法案の早期成立を求めています。
米国では長年にわたり、デジタル資産が証券と商品のどちらに該当するかを巡る議論が続き、一部の事業者は規制環境が明確な海外市場へ拠点を移してきました。
長官は「デジタル資産で報じられる混乱の多くは、規制のないオフショアという無法地帯で起きている。だからこそ国内に取り込む必要がある」と語り、事業者の国内回帰には明確なルール整備が必要だと訴えました。
規制ルールが明確になれば、これまで法的な扱いの不透明さから海外へ拠点を移してきた事業者も、米国内で事業を展開しやすくなるとみられています。
「国民追跡につながる」CBDC導入を否定
会見では、CBDC(中央銀行デジタル通貨)が個人の支出追跡や自由の制限につながるのではないかとの懸念も取り上げられ、長官は改めて導入に否定的な立場を示しました。
ベッセント長官は「CBDCは導入しない。それは国民を追跡する第一歩になる。我々はそれを選択肢から外した」と述べています。
そのうえで長官は、民間発行のステーブルコイン規制と、CLARITY法案による市場構造ルールの整備を、今後の米国デジタル資産政策の柱に据える方針です。
「デジタルドル」に法的封印
上院本会議、60票確保へ与野党協議
米国では行政と立法の両面から仮想通貨制度の整備が進められており、ベッセント長官に加え、SEC・CFTCの両委員長もCLARITY法案の早期成立を求めてきました。
今回の会見でも長官は議会に対して法案の早期成立を呼びかけており、行政府として仮想通貨規制の法整備を後押しする姿勢を改めて示しています。
ただし、CLARITY法案が成立するには、上院本会議での可決に加え、上院農業委員会で並行審議されてきた法案との調整や、下院案との一本化を経る必要があります。
今後は、可決に必要な60票の確保に向けた与野党協議が続く見通しで、上院本会議での採決時期や結果に市場の関心が集まっています。
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Source:ホワイトハウス記者会見
サムネイル:AIによる生成画像



























