この記事の要点
- a16z幹部、CLARITY法案を「1933年証券法級」と評価
- SECとCFTCの管轄整理へ、米仮想通貨規制の転換点に
CLARITY法案「米規制が世代的転換へ」
米ベンチャーキャピタル大手a16zクリプト部門「a16z crypto」の政策責任者マイルズ・ジェニングス氏は2026年5月15日、上院銀行委員会で可決された仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」について、米国の規制体系を根本から書き換える歴史的な転換点になり得るとの見解を示しました。
同氏は公式ブログの中で、同法案を米国で約1世紀にわたり資本形成とイノベーションを支えてきた1933年証券法になぞらえながら、デジタル資産市場においても大規模な制度変更につながる可能性があると指摘しています。
CLARITY法案が成立すれば、ブロックチェーン関連企業は米国内でどの規制当局の管轄下に置かれるのかを事前に判断しやすくなるため、資金調達や長期的な事業計画を進めやすくなるとみられています。
また、法案は5月14日に上院銀行委員会で行われたマークアップ(修正審議)で、15対9の超党派賛成多数により可決されており、上院本会議での審議に向けた手続きが進められています。
CLARITY法案、15対9で可決
a16zが指摘する「企業向け規制の限界」
既存規制が抱える構造のひずみ
ジェニングス氏が法案を1933年証券法級の制度転換と位置付ける根拠は、米国の既存規制とブロックチェーン市場の構造的なずれにあります。
同氏は寄稿のなかで「既存の法的枠組みは、企業経営陣が長期的に支配権を持つことを前提として設計されている」と述べ、現在の規制体系がブロックチェーン市場の実態と合致していないとの認識を示しました。
一方、ブロックチェーンネットワークは特定の管理主体を持たず、参加者同士が共通ルールに基づいて運営されるため、企業向け規制をそのまま適用すると実態との乖離が生じると説明しています。
このため、本来は分散型として設計されたネットワークであっても、企業型ガバナンスを前提とした規制が適用される状況が広がってきたとの見方を示しています。
MiCA進む欧州、米国は後手に
ジェニングス氏は、こうした構造的な混乱の背景として「米国では包括的な仮想通貨規制が整備されないまま、既存法の拡大解釈による市場監督が続いてきた」と振り返っています。
また、統一基準を欠いた監督体制によって法解釈の変更が繰り返され、政府機関による強権的な執行につながったと批判しています。
同氏は、規制上の不透明性によって健全な事業者まで「規制による執行」の対象となる一方で、制度の隙間を利用した悪質業者の活動を許す結果につながっていると指摘しました。
その結果、開発者や関連企業の海外流出が進み、欧州連合(EU)のMiCA規制や英国の仮想通貨ルール整備が先行するなか、米国は後手に回っていると主張しています。
GENIUS法の成果とCLARITY法案への期待
ジェニングス氏は、規制整備がイノベーションを後押しした直近の事例として、2025年7月に成立した米ステーブルコイン規制法「GENIUS法」を挙げました。
GENIUS法について同氏は「法定通貨に連動するステーブルコインに明確な法的枠組みを与えたことで、市場拡大と普及を後押しした」と説明しています。
同氏は、CLARITY法案でも規制の明確化が進むことで、
クラリティ法案とは
15対9で委員会可決、上院本会議は60票の壁
今回の上院銀行委員会でのマークアップでは、共和党13人全員に加え、民主党のルベン・ガレゴ議員(アリゾナ州選出)とアンジェラ・アルソブルックス議員(メリーランド州選出)が賛成に回り、15対9の超党派賛成多数で可決されました。
法案は今後、CFTCを所管する上院農業委員会の草案と統合されたうえで、上院本会議と下院での審議を経て、大統領署名により成立する見通しです。
上院本会議で60票の賛成を確保できるかに加え、下院通過と大統領署名までを含む立法スケジュールが予定通り進むかどうかに、市場の関心が集まっています。
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Source:a16z crypto公式ブログ / 米上院銀行委員会
サムネイル:AIによる生成画像



























