この記事の要点
- 米英財務省がデジタル資産の共通ルール10提言を公表
- トークン化資産とステーブルコインの越境利用を後押し
米英、越境デジタル資産の共通基準づくりへ
米財務省と英財務省(HMトレジャリー)は2026年7月14日、両国の金融サービス連携を深めるため、「大西洋横断未来市場タスクフォース(TTMF)」の提言書を共同で公表しました。
提言書はデジタル資産に関する5項目と資本市場に関する5項目の計10項目で構成されており、米英両国は越境取引の摩擦を減らし、トークン化資産やステーブルコインの活用を支える共通ルールの整備を進める方針です。
あわせて両国は同日、ステーブルコインに関する共同声明を公表しました。
声明では、各国で発行されたステーブルコインの越境利用を後押しするため、相互市場へのアクセスの在り方を検討するとともに、準備資産や償還、利用者保護などに関する10の共通原則を示しています。
スコット・ベッセント米財務長官は「TTMFは米英市場の強さと深さを映し出しており、経済成長の促進とイノベーションおよび競争を報いるグローバル基準の推進に向けた両国の共通の決意を示すものだ」と述べています。
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デジタル資産と資本市場の共通基準策定へ
民間主導で1年間、越境ルールを実証
TTMFは、トークン化資産の越境取引を円滑化するため、規制や技術標準の共通化を検討する民間主導の実証グループを1年間設置し、業界との議論を進める方針を示しました。
あわせて米英当局は、トークン化資産の規制上の取扱いについて共通のアプローチを検討するほか、トークン化証券取引における決済ファイナリティ(決済の最終確定)や、ステーブルコイン・トークン化MMF(マネー・マーケット・ファンド)の証拠金担保としての利用などを検討項目に位置付けると明記しました。
さらに、ステーブルコインやトークン化預金が共存する「マルチマネー・エコシステム」の構築を視野に入れるとともに、バーゼル委員会で進む暗号資産の健全性(プルーデンシャル)基準の見直しについても、技術中立の立場から支持する考えを示しています。
ステーブルコインの越境利用に10の原則
TTMFの提言に合わせて公表された共同声明では、越境的なステーブルコイン利用を支える10の原則を示し、通貨として流通するステーブルコインは、質の高い流動資産によって少なくとも1対1で裏付けられるべきと定めています。
そのうえで、決済・証券・商品市場での活用を後押しするとともに、発行体による銀行サービスへのアクセス確保、準備資産の分別管理、償還時の権利開示、発行体が破綻した際の保有者保護などを制度設計の基本原則として掲げています。
米英両国はさらに、それぞれの法制度を前提としながら、一方の国で発行されたステーブルコインが他方の市場でも利用できる仕組みの検討を進める方針を示しました。
越境取引の摩擦減へ資本市場も連携
デジタル資産分野に加え、TTMFは資本市場についても5つの提言をまとめ、米英市場における越境取引の摩擦を減らすため、FCAとSECが資金調達制度の円滑化に向けた検討を共同で進めています。
対象には、SECの外国非公開発行体(FPI)制度の見直しや、英国のコンソリデーテッド・テープ(取引情報の統合開示制度)の透明性向上に向けた連携が含まれています。
また、CFTCとFCAは英国のスワップ執行施設(デリバティブの電子執行基盤)の相互承認や、会計・監査基準の国際的な品質維持でも協力を続ける方針を再確認しました。
英国トークン化へ54社TF始動
リップルなど54社がトークン化実証に参加
今回の提言が制度面での連携を示す一方、英国では市場実証に向けた取り組みも並行して進んでいます。
英財務省は7月13日、ホールセール(大口取引)金融市場のトークン化に関する初回報告書を公表しました。
同報告書では、リップルやブラックロックなど54社が参加するタスクフォースが今後12カ月間にわたり実証を進める計画を示しており、TTMFによる制度面の議論と並行して、市場での具体的な検証を行うとしています。
TTMFの提言書では、市場環境の変化に応じて民間セクターとの対話を継続すると明記しており、米英両国は制度整備と市場実証を並行して進め、デジタル資産分野での連携を継続する方針です。
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Source:TTMF提言書
サムネイル:AIによる生成画像


























