クラリティ法案「60票確保に暗雲」民主党3議員が倫理条項の追加を要求

クラリティ法案「60票確保に暗雲」民主党3議員が倫理条項の追加を要求

この記事の要点

  • 民主党3議員がクラリティ法案に倫理条項の追加を要求
  • 可決に必要な60票の確保へ民主党議員の賛否が鍵に
目次

民主党3議員「倫理条項なしでは賛成不可」

米上院のクリス・マーフィー議員(民主党・コネチカット州)ら3議員は2026年7月14日、米連邦議会議事堂で仮想通貨(暗号資産)の市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」に倫理条項が盛り込まれない限り賛成しない姿勢を表明しました。

記者会見にはマーフィー議員のほか、ジェフ・マークレー議員(オレゴン州)とクリス・バン・ホレン議員(メリーランド州)も出席し、3議員はトランプ大統領一家の仮想通貨事業をめぐる利益相反を規制する倫理条項の追加を法案への賛成条件とする考えを示しました。

早ければ7月20日の週にも予定される上院本会議での採決では、議事妨害(フィリバスター)を回避するため賛成60票が必要となるため、共和党単独では届かず、民主党議員の賛否が法案の行方を握る情勢となっています。

会見では、利益相反を放置したまま法案成立を急ぐトランプ政権への批判が相次ぎ、法案を「業界優先」とする声も上がるなか、倫理条項の追加をめぐる与野党の協議が続いています。

「大統領に印刷機を渡すな」反対派が批判

レヴィン氏「10億ドル超は利益相反」

記者会見は、市民団体Indivisible(インディビジブル)とAmericans for Financial Reform(アメリカンズ・フォー・フィナンシャル・リフォーム、AFR)が民主党議員3人と共同で開き、作家・映画製作者のベン・マッケンジー氏も登壇しました。

冒頭で発言したインディビジブル共同代表のエズラ・レヴィン氏は「この法案には、大統領やその家族が利益を得ることを防ぐ文言が一言も含まれていない」と述べ、倫理条項が盛り込まれていない点を最大の問題として批判しました。

レヴィン氏は、トランプ大統領が過去1年間に10億ドル(約1,620億円)超の仮想通貨関連収益を得たとする最新の資産開示資料を挙げ「これは抜け穴ではなくビジネスモデルだ」と主張しています。

さらに「議会はトランプ氏に印刷機を渡した。大統領はより大きな印刷機を求めている」と表現し、倫理条項が盛り込まれないまま成立したステーブルコイン規制法「GENIUS(ジーニアス)法」と同様に、大統領の利益相反を助長するおそれがあると警告しています。

レヴィン氏は、リンジー・グラハム上院議員の死去から48時間もたたないうちに、トランプ大統領がの可決を促す投稿を行ったことを取り上げ、成立を急ぐ背景にはトランプ大統領自身の仮想通貨事業による利益があるとの見方を示しました。

3議員「倫理条項なしでは賛成できない」

会見に出席した3議員も、クラリティ法案への反対理由として倫理条項の欠如を挙げ、利益相反を防ぐ規定を盛り込まない限り法案には賛成できないとの立場を相次いで表明しました。

バン・ホレン議員は、大統領や連邦議会議員が仮想通貨事業で利益を得ることを禁じる修正案をGENIUS法とクラリティ法案の審議で提出してきたものの、いずれも上院銀行委員会で共和党の反対により否決された経緯を説明しています。

マーフィー議員は、本会議での採決前に倫理条項が追加される可能性に触れながらも、トランプ一家の仮想通貨事業による利益相反を完全に排除する内容でなければ支持できないとの考えを示しました。

マークレー議員も、大統領や副大統領、閣僚、連邦議会議員とその家族が仮想通貨事業から利益を得ることを禁じる規定を法案へ盛り込むよう求め、これを賛成の最低条件として掲げています。

世論調査でも業界の影響力に懸念

会見では、倫理条項だけでなく、法案そのものが仮想通貨業界寄りの内容になっているとの批判も相次ぎました。

AFR共同代表のエリカ・テイラー氏は「クラリティ法案は仮想通貨業界の富豪によって、富豪のために作られた」と述べ、法案の成り立ち自体を問題視しています。

同氏はまた、AFRが実施した世論調査で、民主・共和・無党派を問わず多数の有権者が仮想通貨業界のワシントンでの影響力に懸念を示したとしたうえで、議員に法案への反対を呼びかけました。

マッケンジー氏も「2024年の連邦選挙だけで仮想通貨業界が2億4,000万ドル(約390億円)を政治活動に投じた」と指摘し、多額の政治資金が政策形成へ影響を与えていると訴えています。

そのうえで同氏は、本会議で法案を可決するには少なくとも7人の民主党議員の賛成が必要になるとして、倫理条項が追加されない限り反対で結束するよう民主党議員に求めました。

審議長引けば中間選挙後へ持ち越しの可能性

一方、CFTC(米商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は、法案成立が近づいているとの認識を示す一方で、倫理条項をめぐる対立が超党派合意を難しくしていると言及していました。

上院本会議への提出に向けた調整は8月6日を次の節目として続けられており、審議が長引けば法案成立が中間選挙後へ持ち越される可能性も指摘されています。

早ければ7月20日の週にも予定される採決を前に、与野党は倫理条項を盛り込むかどうかを巡る調整を続けており、その協議の行方がクラリティ法案の成立時期を左右する可能性があります。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.16 円)

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Source:Americans for Financial Reform
サムネイル:AIによる生成画像

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