仮想通貨業界の「自主規制団体」立ち上げを提案|米国商品先物取引委員会・理事
米国商品先物取引委員会(CFTC)のコミッショナーであるBrian Quintenz(ブライアン・クインテンツ)氏は、2019年2月12日開催された「Bipartisan Policy Center」のパネルディスカッションの中で『仮想通貨業界の参加者は自主規制構造を構築するべきだ』と提案しました。
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Brian Quintenz(ブライアン・クインテンツ)氏は、米国商品先物取引委員会(CFTC)には仮想通貨の監督機能がないため、仮想通貨プラットフォーム同士で協議を行い、しっかりと合意した上で実装し、希望に応じて調査・監査することができる"何らかの自主規制構造"を形成することを提案しました。
クインテンツ氏はそのような構造ができることによって、利益相反、企業行動、インサイダー取引、カストディ、流動性などに関する監査を行うことができると説明しています。同氏は「自主規制組織は法律を通じて議会からの明確な許可を得ている」と述べた上で、これは業界に参加している民間企業同士の相互協会に過ぎないだろうとも語っています。
また、同委員会の講演者でもあった米国証券取引委員会(SEC)ののコミッショナーであるHester Peirce(ヘスター・ピアース)氏は、現在の仮想通貨業界の規制がどれほど混乱しているかを強調すると共に、「ビットコイン市場の規制欠如」は"ビットコインETFを承認しない理由ではない"と指摘しました。
規制されていない市場はたくさんありますが、それでも私たちはその上にデリバティブ商品を立ち上げています。
ピアース氏は最近「"仮想通貨規制の明確化"が遅れることによって、仮想通貨業界やそれらの技術はより自由に行動する時間を得ることができる」との考えを語っています。同氏は、現在の法律を損なうことなく業界を発展させるためには、SECが適切に行動しなければならないと説明しており、仮想通貨の利点を損なうことなくより良い環境を構築していくためには、バランスをとりつつ慎重に規制を整えていくことが重要であるという考えを語っています。
米国で仮想通貨業界を代表する企業による「自主規制団体」が立ち上げられ、より慎重に業界のルールが決定されていくことになれば、厳しすぎる規制で技術の発展が妨げられることなく、理想的な形で業界が発展していくことが期待されます。
現在は日本でも業界団体による自主規制取り組みが進められており、最近では大手企業が多数参加している経済団体である「新経済連盟」が規制の明確化・変更を求める要望書を提出しています。