医薬品の「サプライチェーン管理」にブロックチェーン活用|Walmart・Merckなど大手4社が連携
IBM・KPMG・Merck・Walmartの4社は、アメリカ食品医薬品局(FDA)と協力して医薬品のサプライチェーンに関与する組織やFDAが市場に出回っている処方薬を管理・追跡できるようにするためのブロックチェーンネットワークの開発に取り組んでいます。
こちらから読む:大手企業4社が活用している「ブロックチェーン技術」とは
アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)配下の政府機関である「アメリカ食品医薬品局(FDA)」は、ブロックチェーン技術を活用して市場に流通している医薬品や処方薬を適切に管理・追跡できるようにするためのブロックチェーンネットワーク開発に取り組んでいます。
この試験的プログラムは、医薬品の偽造・盗難・汚染および、その他の有害な薬物に対する規制上の監視を強化するための法律である「米国医薬品サプライチェーンセキュリティー法(DSCSA)」に関連したものであり、医薬品の流通・供給に関するデータを改ざんできない状態で適切に記録・管理することによって製品をリアルタイムで追跡できるようにし、在庫を追跡するための時間短縮、企業間で共有されるデータの精度向上、流通する製品の健全性管理などに役立てることを目的としています。
このブロックチェーンネットワーク構築には、
・大手IT企業「IBM」
・コンサルティング会社「KPMG」
・世界的な製薬会社「Merck(メルク)」
・大手小売チェーン「Walmart(ウォルマート)」
が関わっており、現在は概念実証に取り組んでいるとされています。
IBMのヘルスケア&ライフサイエンス分野ブロックチェーン部門でグローバルソリューションリーダーを務めているMark Treshock氏は、次のように語っています。
ブロックチェーンは、バイオ医薬品のサプライチェーンの信頼性をさらに向上させる上で、新しい重要なアプローチをもたらすでしょう。ブロックチェーン技術が理想的なのは、サプライチェーン内の医薬品を追跡できる監査証跡を提供するだけでなく、データを共有した当事者を、データ内容を公開することなく追跡できるからです。
ブロックチェーンは、医薬品のライフサイクルを通じてデータを制御・管理・共有し、対応する方法を変革できる可能性を秘めています。
このプロジェクトに参加している企業はこれまでにもブロックチェーン関連のプロジェクトに取り組んできた経歴を持っており、WalmartとIBMは食料品の情報を管理するプロジェクト、MaerskとIBMは国際貿易プラットフォームを発表しています。
医療業界では、これまでにも様々な分野でブロックチェーン技術が活用されていますが「医薬品のサプライチェーン管理」への活用は、特に大きなメリットをもたらすことができると期待が高まっています。
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