システム障害で「約50の自治体データ」に大規模被害|ブロックチェーンなら防げたのか?


NTTデータの子会社である「日本電子計算株式会社(JIP)」が運営するクラウドサービス「Jip-Base」にシステム障害が発生し、全国約50の自治体で「戸籍管理・税務処理・医療保険・図書館」などのデータが一部利用できない状態になっていることが明らかになりました。ネット上では「戸籍や税務などのデータが全て消失した」とも囁かれているため、今後のデータ管理方法などにも注目が集まっています。

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目次

「Jip-Base」でシステム障害が発生

日本電子計算株式会社が運用する自治体専用のIaaSサービス「Jip-Base」で、2019年12月4日10時56分頃からシステム障害が発生し、同サービス上で稼働している業務システムの一部が利用できない状態が続いていることが明らかになりました。

このシステム障害によって約50の自治体が影響受けており、東京都の中野区では「ウェブページ閲覧・⼾籍証明の発⾏・⼾籍の届出・後期⾼齢者医療保険」など⼿続きが利用できない状態となっており、練馬区ではウェブページの更新/閲覧が不可能な状態になっていると伝えられています。なお、中野区では「戸籍証明の発行など一部システムが12月6日に朝に稼働した」と報告されています。

ネット上では『ストレージのバグで戸籍や税務などのデータ全消失』として大きな話題となっており、これらのデータの中には「戸籍管理・税務処理・医療保険・図書館」などの重要なデータが大量に含まれているため、データ復旧には長い時間がかかる可能性があるとして先行きを不安視する意見が多く出ています。

システム障害の影響を受けている地域

日本電子計算が本日6日に公開した続報によると、今回のシステム障害で影響を受けている地域は以下の通りだと報告されています。

(画像:日本電子計算株式会社)(画像:日本電子計算株式会社)

このシステム障害は「ストレージに付随するファームウェアの故障が原因である」と報告されており、2019年12月9日に「Jip-Base」を全面復旧することを目指して作業を進めていると説明されています。しかしながら「Jip-Base」上で稼働している住民票発行などの業務システムは同社が単独で復旧できるものではないため、同社からは『全面復旧の期日をお知らせできない』とされています。

海外では「ブロックチェーン・分散型台帳技術」を活用

今回の障害は外部からの攻撃などによるものではないため「情報流出・情報漏洩」などの被害はないものの、ネット上で囁かれているように大規模なデータが消失しているのであれば、戸籍や税務などの情報を完全に復元することは困難であると考えられます。

Twitter上では「データのバックアップをどのように行っていたのか?」を追求する意見が出ていますが、海外ではこのようなデータ消失を防ぐために分散型でデータを管理するブロックチェーン分散型台帳技術(DLT)を用いて国の重要データを管理する取り組みが進められているため、今後はこのような技術の活用が日本でも本格的に検討される可能性があると予想されます。

日本電子計算株式会社の親会社にあたる「NTTデータ」は実際にブロックチェーン関連の取り組みを進めているため、同社の新しいシステムが活用されていく可能性もあると考えられます。ブロックチェーン技術は重要なデータを暗号化して複数の端末に保存する仕組みを採用しているため、特定のサーバーが影響を受けた場合でもその他のサーバーからデータを復元することができます。

ブロックチェーンや仮想通貨に寛容な国として知られるマルタ共和国のJoseph Muscat(ジェセフ・マスカット)首相は、2019年6月に「同国すべての賃貸契約をブロックチェーンに登録すること義務付ける」と発表しています。

>>「日本電子計算株式会社」の公式発表はこちら

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