金融庁が設置した「仮想通貨交換業等に関する研究会」は、4月10日に初めてとなる会合を開きました。今回の調査で明らかになった様々なデータや問題点などが金融庁の公式サイトで公開されていたので、その中でも特に興味深かった情報をいくつか紹介します。
「仮想通貨交換業等に関する研究会」とは?
「仮想通貨交換業等に関する研究会」は、仮想通貨取引所への不正アクセスや内部管理態勢の不備といった、仮想通貨交換業などに関連する問題について制度的な対応を検討するために金融庁が設置した研究機関です
会議の構成員は、学識経験者や金融実務家などをメンバー、仮想通貨交換業者などの業界団体や関係省庁をオブザーバーとし、金融庁が事務局を務めています。
公開されている情報の内容
今回の会合では、国内の登録業者14社とみなし業者3社が共同で情報を提供し、研究会にオブザーバー参加している日本仮想通貨交換業協会が日本国内の取引状況について説明を行いました。
議論された内容や関連する様々な情報は、金融庁の公式サイトにて公開されています。
公開されている情報は、日本国内の仮想通貨取引全体の正式なデータとなっているため、非常に興味深い内容となっています。
ビットコイン取引の6割が日本人|グローバルでの取引状況
このデータによると、ビットコイン(BTC)の取引においては圧倒的に日本円が使用されていることがわかります。
しかしその他の仮想通貨に関しては、日本円が占める割合はごくわずかです。
日本では取り扱う仮想通貨に関しても厳しいルールが定められているため、多くの人が最初にビットコインを購入していると考えられます。
しかしビットコインを経由してその他のアルトコインを購入している人も多いため、ビットコインの大半を日本人が保有しているということにはならないかと思われます。
証拠金取引が急激に増加|仮想通貨取引量
主要な仮想通貨取引所での取引状況が明らかになったことにより、仮想通貨取引量が昨年だけで急激に増加していることが明らかになりました。
また平成28年度からは、証拠金・信用・先物での取引量が圧倒的に増加していることも明らかになっており、平成29年度では現物取引が12兆7140億円であるのに対し、証拠金・信用・先物取引は56兆4325億円であり8割以上を占めていることがわかります。
証拠金取引では最大で20~25倍のレバレッジをかけている業者もあるため、研究会のメンバーからは「20~25倍のレバレッジは投機的状況であり、ギャンブルに近い」との理由から規制を求める声もあがっています。
現物取引の9割は20〜40代|年代層別顧客層分布 現物取引
日本国内における現物取引の9割が20〜40代であるようです。
最も多いのは30代ですが、20代の投資家も非常に多いことがわかります。
証拠金取引は30〜40代|年代層別顧客層分布 証拠金取引
一方、証拠金・信用・先物取引では30〜40代が多いため、20代投資家のほうが現物で仮想通貨を保有している可能性が高いことがわかります。
若い世代の方々は、普段から新しい技術や文化を寛容に受け入れていることも事実であるため、仮想通貨に関しても純粋にその技術に魅了されて保有しているという人も多いのかもしれません。
若い世代の投資家は、安易な気持ちで投機的に仮想通貨を購入しているとの意見を度々耳にしますが、この結果を見る限りでは少なくともギャンブルに近いような危険な投資を行なっている人はそれほど多くはないようです。
20代の人々の間では、今後ビットコイン決済が流行るのかもしれません。
高値掴みに苦しむ人も多い?|入出金状況
ビットコイン(BTC)の価格は昨年12月に過去最高値を記録しました。
入出金状況のデータによると、ちょうど同じ時期に取引所への入金が急増していることがわかります。
12月だけで1兆1714億円もの入金が行われており、11月と比較すると13倍近く増加しています。
しかしその後も入出金はほぼ均衡しており、出金にも大幅な増加はみられないことなどから、多くの人が高値で購入した仮想通貨を手放すことができない状態にあることが予想されます。
相場の回復を長期的に待っている人も多いようです。
仮想通貨が使えるお店|仮想通貨を支払いに使用できる店舗数
仮想通貨が使えるお店はかなり増えてきているようです。
ビットコイン(BTC)が使えるお店は、国内に52,190店舗もあるとされています。
bitFlyer(ビットフライヤー)のアプリを使ったビットコイン決済に対応した店舗もかなり増えてきているため、年内にはかなり多くの店舗で仮想通貨での支払いができるようになっているかもしれません。
bitcoin決済ができるお店はこちら
(引用:金融庁)