香港金融管理局(HKMA)は2021年10月4日に、個人や企業が利用するリテール型の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル香港ドル(e-HKD)」に関する内容を記した『e-HKD: A technical perspective』」という題名のホワイトペーパーを公開しました。
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デジタル香港ドル(e-HKD)のホワイトペーパー公開
香港金融管理局(HKMA)は2021年10月4日に『e-HKD: A technical perspective』と題された同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル香港ドル(e-HKD)」に関するホワイトペーパーを公開しました。CBDCは金融機関が利用する「ホールセール型」と個人・家計・企業が利用する「リテール型」に分けられますが、今回公開されたホワイトペーパーはリテール型CBDCに関するものだと報告されています。
HKMAはデジタル香港ドルを発行する見通しについて、技術的・政策的考慮事項を網羅した研究を開始して、2022年半ばまでに最初の見解を出すことを目指しているとのことで、今回発表されたホワイトペーパーは『技術面におけるHKMAの研究努力の一部を構成するもの』だと説明されています。
香港金融管理局はCBDCの開発で「ホールセールレイヤー」と「リテールレイヤー」からなる2層構造のシステムを構築することを目指していとのことで、1層目は「中央銀行がCBDCを発行して償還するためのもの」、2層目は「商業銀行がリテールCBDCやCBDCに裏付けられた電子マネーを配布して流通させるためのもの」になっていると報告されています。
なお、ホールセールレイヤーは銀行や決済サービスプロバイダーなどといった信頼性の高い仲介業者のみが参加できるとのことで、リテールレイヤーは一般の人々がアクセスできるオープンシステムだと伝えられています。
香港金融管理局の最高責任者であるEddie Yue氏は『このホワイトペーパーはデジタル香港ドルの技術調査の第一歩であり、この調査で得られた知識は、他のCBDCプロジェクトで得られた経験と合わせて”e-HKD”の技術設計についてのさらなる検討や熟考に役立つ』と述べており、『私たちの視点をより豊かにするために学界や産業界からのフィードバックや提案をいただけることを楽しみにしている』とコメントしています。