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HashPalette「De:LitheΦ」のNFT購入者に返金対応|開発元enishは納期超過を否定

HashPalette(ハッシュパレット)は2023年2月15日に、HashGamesが開発中のブロックチェーンゲーム「De:LitheΦ 〜幻想のラビリンス〜」のリリース時期が見通せない状況になったことを報告し、対象商品(NFT)を購入したユーザーに対して返金を実施することを発表しました。ゲーム開発遅延の理由については「ゲーム開発担当のenish社から納品がないこと」などが挙げられていますが、enish社はこの発表に対して『事実とは異なる』と否定しています。

「ゲーム開発担当のenish社から納品がない」と説明

HashPalette(ハッシュパレット)は2023年2月15日に、同社のブロックチェーンゲームスタジオ部門である「HashGames」が開発中のブロックチェーンゲーム「De:LitheΦ 〜幻想のラビリンス〜」の開発で大幅な遅延が発生する可能性があることを報告し、『ゲームリリース時期が見通せない状況になった』と発表しました。

「De:LitheΦ 〜幻想のラビリンス〜」はゲームで遊びながら稼ぐことができるPlay to Earn(P2E)の仕組みを採用したブロックチェーンゲームであり、2022年10月には「De:LitheΦ 第1回セール」で複数のNFTが抽選販売されていました。

HashPaletteはこのゲームの開発を行なっている「株式会社enish」に数億円規模の開発費用を前払いしてゲーム開発を進めていたとのことですが、製品版の納品期限から1か月以上経過した現時点でもプロトタイプを含めた納品物がenish社から納品されていないとのことで、今後の納品スケジュールの提示も受けていないと説明されています。

対象NFT購入者に対して返金を実施

今回の発表では、このような状況を考慮して2022年10月21日から抽選販売された対象NFTを購入したユーザーに対してHashPaletteから返金を実施することが発表されています。「今回の決定に至る経緯」や「返金対応の内容」などについては以下のように説明されています。

返金対象商品(NFT)

De:LitheΦ 第1回セール(2022年10月21日より抽選受付分)で販売された以下のNFT

返金対象商品の画像(画像:HashPalette)

返金の決定に至る経緯

2022年6月にHashPaletteとenishの間で、今回のゲームの開発に向けてブロックチェーン技術等を活用したゲームの開発業務に関する業務委託契約を締結し、ブロックチェーンゲームの開発・リリースを進めることで合意。その後、HashPaletteは業務委託契約に基づき、2022年8月から開発費用の支払いを前払いで行っており、これまでに総額数億円単位の開発費用の支払いを行っている。

しかし、enish社からはβ版(プロトタイプ版)を含むいかなる納品物も納品されていない。現時点では、ユーザーに提供予定の製品版の納品期限から1か月以上が経過しており、HashPaletteはこの間もenishと交渉を続けていたが、2023年2月15日時点でも今後の納品スケジュールが明確となっていない。

HashPaletteは今回のゲーム内で使用できるNFTをあらかじめ販売しており「プロジェクトの信頼性」を最重要のものと考えているため、ユーザーに提示していたリリース時期を遵守すべくenish社と事態を打開するための協議を実施してきたが、現時点でも妥結の目処が立っておらず、これ以上ユーザーに迷惑をかけることはできないため、NFT購入者への返金を実施することを決定した。今回のゲームに関する各種SNSも2月末を目処に一度クローズする方針で検討中。

返金内容

返金対象商品を購入したユーザーに以下の返金を実施。

【クレジットカードを利用して購入した方への対応】

【暗号資産PLTを利用して購入した方への対応】

【各種Giveawayキャンペーン参加者への対応】
特典として配布予定の各種パック及びNFTは返金の対象外。ただし、今後HashPaletteがリリース予定のプロジェクトで、今回のゲームのキャンペーン当選情報を元に、NFT等の優先購入権の付与・無償配布(Airdrop)等の対象とすることを検討。対象キャンペーンは以下の5つ。

その他、返金に関する特記事項

>>「HashPalette」の公式発表はこちら

enishは「事実とは異なる情報掲載」と否定

HashPaletteは今回の発表で『製品版の納品期限から1か月以上経過した現時点でもプロトタイプを含めた納品物がenish社から納品されていない』と説明していましたが、enish社は2023年2月15日の公式発表で「HashPaletteの発表内容は事実とは異なる」として納品遅延に関する説明内容を否定しています。

enish社は今回の発表で『株式会社HashPaletteと当社が製品版の納品期限を徒過した事実はございません』と説明しており、『関係者の皆様方にはご心配をお掛けしておりますことをお詫び申し上げます』ともコメントされています。

>>「enish」の公式発表はこちら

HashPalette「納期は2022年12月末予定だった」と反論

(追記:2023年2月15日15:42)
HashPaletteは2023年2月15日に、enishの発表を受けて「De:LitheΦプロジェクトに関する追加のご報告について」という新たな記事を公開し、enishの発表に記載されていた『株式会社 HashPalette と当社が製品版の納品期限を徒過した事実はございません』との記載に対する同社の認識について説明を行いました。

HashPaletteは今回の発表で「2022年6月13日付けで締結された業務委託契約には、今回のゲームの製品版の納期が2022年12月末予定と明示的に規定されている」と説明しており、「この契約には”書面をもって合意した場合に限り内容を変更することができる”ということが規定されているが、これまでいかなる変更契約等も締結していない」ともコメントしています。

この適時開示においては、「株式会社 HashPalette と当社が製品版の納品期限を徒過した事実はございません。」との記載がございますが、弊社の認識は次のとおりです。

弊社とenish社は、2022年6月13日付けで本件ゲームの開発に係る業務委託契約(以下「本件契約」といいます。)を締結しており、同契約においては本件ゲームの製品版の納期が2022年12月末予定と明示的に規定されております。また、本件契約においては、書面をもって合意した場合に限り内容を変更することができる旨が併せて規定されておりますが、本日に至るまでいかなる変更契約等も締結しておりません。

弊社は、既に公表のとおり、本件契約の定めるところに従って2022年8月から11月にかけて数億円規模の開発費用を前払いしております。しかしながら、enish社からは、これまでプロトタイプも含めて一切の納品物の納品を受けておらず、弊社から検収書等を発行・交付した事実もございません。

以上の次第で、改めてユーザ様を含めた関係者の皆様にご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。弊社としましては、まずはNFTをご購入いただいたユーザ様にこれ以上のご迷惑をおかけすることのないよう、当該NFTについては返金対応を実施させていただくことを決定しており、本件自体についてもなるべく早期の解決を図りたいと考えております。

>>「HashPalette」の追加発表はこちら