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スタンフォード大学がブロックチェーン研究センターを設立|イーサリアム財団も支援

スタンフォード大学(Stanford University)はブロックチェーンの研究を促進するためのセンターを設立しました。この施設の立ち上げにはイーサリアム財団(Ethereum Foundation)をはじめとした複数のブロックチェーン団体が支援を行なっています。

ブロックチェーン研究センター

カリフォルニア州にある世界トップ10の私立名門校として知られるスタンフォード大学は、イーサリアム財団などの複数のブロックチェーン団体からの支援を受けて、ブロックチェーンの研究施設を設立しました。

ブロックチェーン研究センター(Blockchain Research Center)と呼ばれる新しい研究センターは、大学のコンピュータサイエンスの教授であるDan Boneh(ダン・ボネ)氏とDavid Mazières(デビッド・マジエール)氏が率いており、次の6つのブロックチェーン団体が資金提供を行なっています。

ブロックチェーン研究センターは、ブロックチェーンの技術が従来のビジネスにどのような変化をもたらし、法的・社会的・実用的課題にどのように対処できるかを検証します。

またそれらの研究に加えて、将来の学生や専門家が金融商品を開発し、知的財産を保護し、重要な記録を管理するためにブロックチェーンを活用する方法を学ぶための役立つコースも作成されます。

ダン氏は「ブロックチェーンは、世界的に事業を展開する上でますます重要になるだろう」と語っており、エンジニアリングスクールの教授であり、仮想通貨とコンピュータセキュリティの専門家であるRajeev Motwani(ラジエフ・モトワニ)氏は「スタンフォードは、この技術の多くの波及効果を改善、適用、理解するための努力の最前線にいなければならない」と語っています。

仮想通貨・ブロックチェーン技術コース

今年の秋から始まる仮想通貨とブロックチェーン技術のコースでは、異なるブロックチェーンシステムで使用される分散型アプリケーション(DApps)、コンセンサスプロトコル、仮想通貨、セキュリティが対象となっています。このコースは、高度な学部のコンピュータサイエンスの学生や大学院生を対象に提供されます。

“仮想通貨・ブロックチェーン技術コース”について、ダン・ボネ氏は次のように述べています。

これはより深い科学的な質問を伴う魅力的な研究領域です。

より詳しい内容に入ると、この分野はコンピュータサイエンスを超え、さらにはそれをも超えて多くの博士論文を生み出すことになるでしょう。

無料のオンライン仮想通貨コース

また、無料で公開される”オンライン仮想通貨コース”も提供されます。このコースでは、仮想通貨の概要と実際のシステムでの正しい使用方法についての説明が行われます。

これらのコースについて、マジエール氏は次のように説明しました。

ブロックチェーンは、トレード可能なデジタル資産を作成する上での障壁を大幅に軽減します。
これにより、「お互いを知らない人」または「お互いを信頼する人」が、さまざまな分野で不可逆的な取引を安全かつ確実に行うことができます。

Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏も積極的

Ethereum Foundationに共同設立者でありイーサリアムの生みの親でもあるVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は、6月21日にこのプロジェクトをサポートしていることについて次のようなコメントを投稿しています。

和訳:このイニシアチブをサポートすることに興奮しています!

イーサリアム(ETH)はこれまでにも数々の有望なプロジェクトを支えてきました。今回の研究センターでイーサリアムに詳しい技術者が増えることで、今後もさらに新しいプロジェクトが生まることでしょう。

ブロックチェーン技術者の育成

近年、仮想通貨やブロックチェーンの技術への関心が急速に高まったことによって、それらの技術者の需要も大きく増加しています。これによりここ最近では、ブロックチェーン技術を教えるオンラインコースや、それらの教育活動を支援する仮想通貨関連の団体も増えてきています。

リップル社の大規模支援

リップル(Ripple)社は今月、ノースカロライナ大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ペンシルバニア大学などを含む、世界中のトップクラスの大学17校に対して大規模な寄付を行い、ブロックチェーンや仮想通貨の普及に取り組んでいることを明らかにしました。

「University Blockchain Research Initiative」プログラムを通じて、ブロックチェーン、仮想通貨、デジタル決済の研究開発に5千万ドル(約55億円)の寄付が行われると報じられています。

インドとIBMが協力する無料プログラム

また、インドの国立技術向上プログラム(National Programme on Technology Enhanced Learning/NPTEL)は6月19日に、米国技術大手であるIBMと協力して、ブロックチェーンの設計、使用に関する12週間の学生向けのオンラインコースを開始しました。

NPTELは、インドが誇る超エリート大学であるインド工科大学(IITs)とインド理科大学(IISc)の授業をインターネット上で『無料配信』している国家プロジェクトであり、インド政府からの支援を受けているNPTELは、IITs以外の大学生に対しても”IITsの質の高い授業”をインターネットを通して無料で提供しています。

DAppsの開発が学べる無料ゲーム

現在、ブロックチェーンや仮想通貨関連の求人は急速に増加しています。今後さらにこれらの知識に精通した人物や技術者は世界中で求められることになるでしょう。今回紹介したオンラインコースの他にも、インターネット上で無料で遊びながらDAppsの勉強ができるゲームなどもあるので、興味のある方はこちらも利用されてみてはいかがでしょうか。

今の勢いで技術者の育成が進めば、5年後、10年後には今では想像もつかないほどの革新的なアプリケーションやテクノロジーが生まれることになるでしょう。仮想通貨に興味がある方は、ぜひ技術開発の分野にも目を向けてみて下さい。