仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

牧師夫妻が「神様からのお告げ」で仮想通貨を発行|証券詐欺で資産凍結

牧師夫妻が「INDXcoin」で320万ドルを調達

神様からのお告げを受けて作成したとされる仮想通貨「INDXcoin」を販売していたアメリカ・コロラド州の牧師夫妻Eli Regalado氏とKaitlyn Regalado氏を、コロラド州の証券委員会が証券詐欺の容疑で告訴したことが明らかになりました。

複数メディアの報道によると、この牧師夫妻は「Victorious Grace」と呼ばれるオンライン教会を通じて「INDXcoin」と呼ばれる仮想通貨を発行し、複数の投資家から合計約320万ドル(約4億7,400万円)を集めたとされています。

牧師夫妻は「INDXcoinは”神様からのお告げ”を受けて発行された仮想通貨である」と主張していたとのことで、投資家に対して『この仮想通貨に投資すれば、これまでの人生で得たよりも多くのお金を手にいれることができる』とも説明していたと伝えられています。

また、Eli Regalado氏はINDXcoinを売買できる唯一の暗号資産取引所「Kingdom Wealth Exchange」の創設者でもあるとのことで、INDXcoinとKingdom Wealth Exchangeは2023年11月1日に閉鎖されたと報告されています。

INDXcoinの販売は「証券詐欺」との判断

コロラド州の証券委員会は、INDXcoinを販売していた牧師夫妻を「投資家を不正に欺き、適切な登録を行わずに証券を違法販売した」として告訴し、ビクトリアス・グレース教会の資産を凍結したと報じられています。

牧師夫妻は「INDXcoinは仮想通貨インデックスにペッグされて十分な資産によって裏付けられたユーティリティトークンだ」と主張しているものの、コロラド証券委員会は「INDXcoinは神様の言葉以外にはほとんど何も裏付けがなかった」と反論し、INDXcoinの販売は投資家の信頼を悪用した証券詐欺にあたると主張しています。

報道によると、牧師夫妻は投資家に対して「神はINDXcoinに留まるべきだと仰っている。私は近いうちに奇跡が起こると心から信じている」などと説明したものの、規制当局は「奇跡は起きない」としているとのことです。

なお、牧師夫妻はINDXcoinの販売で得られた340万ドルの中の約130万ドル(約1億9,000万円)を自らの娯楽に利用し、高級ハンドバック・ジュエリー・美容歯科・スノーモービル・家の改修・贅沢な休暇などに費やしたと報告されています。

仮想通貨業界では詐欺的なコインも数多く発行されており、投資家からお金を盗み取ろうとする詐欺行為も多様化し続けているため、実際に投資を行う際には十分に警戒して、自分自身でしっかりと調査を行うことが重要です。

>>詐欺関連の最新記事はこちら

(参照:The Denver Post