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ヴィタリックVSアップル「仮想通貨への対応は理解できない」


イーサリアム(ETH)の共同設立者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、仮想通貨への厳しい対応を続けているApple(アップル)社に対して「AppStoreのポリシーが、なぜ批判されないのか私には理解できない」と指摘しています。

イーサリアム生みの親の疑問

Apple社が仮想通貨関連のルールを強化したApp Storeに対して疑問を抱いていたブテリン氏は、「Appleの厳し過ぎる規制に対して、ほとんど誰も不満を言っていないことが不思議である」とTwitterに投稿しています。

Appleに制限されたAppStoreのポリシーが、なぜ批判されないのか私には理解できない。
1つの企業(時価総額が1兆ドルに近づいている)がモバイルインターネットユーザーや複数の政府よりも、実際にフィルタリング力が強いことに対して、ほんの少しの開発者しか批判していないように感じます。

ブテリン氏のコメントは、AppStoreに厳しいポリシーが定められたにもかかわらず、開発者からAppleへの苦情がなかったことを示唆しています。iOS向けモバイルアプリを公開するためには、AppleのApp Reviewチームからの承認が必要であり、先月のガイドライン改訂によってそのハードルはさらに高くなっています。

マイニングを禁止する理由

Appleは今年6月にApp Storeで提供されるアプリケーションに関するガイドラインを更新して、iOSデバイスでの仮想通貨マイニング(採掘)などを禁止しました。

改訂された内容としては、”電力を効率的に使用できるようにアプリケーションを設計してください。アプリケーションが急速にバッテリーを消費すること、過度な熱を発生させること、デバイスのリソースに不必要な負荷をかけることがないようにしてください”と記載されていた項目に、次のような文章が追記されています。

アプリケーションは、その中に表示する広告を含めて、暗号通貨のマイニングなど、無関係なバックグラウンドプロセスを実行することはできません。

アップルは仮想通貨のマイニングなどを禁止する理由について「アプリは急速にバッテリー消耗させて過度な熱量をもたらし、デバイスに不必要な負荷をかけるべきではない」としています。

仮想通貨に関する『App Store』のルールは、『Google Play』などのような他社のマーケットプレイスよりもはるかに厳しいことで有名です。しかしこの新しいルールは、正当な仮想通貨アプリケーションに大きな影響を与えるものではなく、『仮想通貨アプリがどのように機能するべきか』に関するルールを概説することで、不正にマイニングを行う可能性がある詐欺アプリが、ユーザーの端末にダメージを与えることを防いでいるものでもあります。

このようなことから、この新しいガイドラインが『批判されるべきかどうか』については意見が分かれており、今回も複数人の間で議論が交わされています。

仮想通貨関連アプリの需要は増え続ける

ヴィタリック氏が投稿した「AppStoreのポリシーがなぜ批判されないのか、私には理解できない。」というコメントに対しては、「Appleの対応はユーザー保護が目的であり、悪意を持ったユーザーへの対処や政府からの規制なども考慮すると、ポリシーの変更は必須となるため避けることはできない」といった論理的な反対意見も寄せられています。

このような複雑な議論が続いている中で、CoinCentralの創設者であるDougPolkPoker(ダグ・ポーク・ポーカー)氏は、非常にシンプルな結論を導き出しました。

人々はiPhoneを愛しているから

このシンプルな回答に続いて、弁護士を職業としているTwitterユーザーであるDan Robinson(ダン・ロビンソン)氏は、法的な説明を投稿しています。

「少なくとも法的な見地から、これが独占禁止法の懸念事項ではない主な理由は、iPhoneの市場シェアは技術的にそれほど高くないということです。これが人々がそれほど不平を言う理由なのかどうかはわかりません。しかし、消費者は実際にiPhoneを使用しないことを選択する能力を持っています。」

ブテリン氏が述べたように、Appleを強く批判するユーザーはあまりいないようですが、これらの厳しいルールは実際にAndroidとiOSの間に大きな違いを生んでいます。

ここ最近で仮想通貨関連のアプリの需要は急速に高まっており、ウォレットアプリや仮想通貨関連のゲームなども数多くリリースされています。しかしその多くはAndroidのみの対応となっており、アプリ開発者たちが「iOS版の開発は予定していない」と説明しているケースも増えてきています。

魅力的なアプリが次々に開発されている一方では、iPhoneへの”愛”が試されています。