8月の仮想通貨市場、ビットコインの底堅さが際立つ
大手資産運用会社グレースケールは2024年9月3日に、同年8月の仮想通貨市場に関する最新レポートを公開しました。このレポートでは、ビットコイン(BTC)価格が2024年後半に史上最高値の更新を試す可能性があると予想されています。
8月の仮想通貨市場は全体的に下落傾向を示しました。金融市場のボラティリティ上昇が影響し、主要な仮想通貨の価格が下落しましたが、ビットコインは他の仮想通貨と比較して底堅い動きを見せ、下落率は8.5%にとどまりました。
一方、イーサリアム(ETH)は21.8%の大幅な下落を記録し、アンダーパフォームとなりました。グレースケールは、イーサリアムのレイヤー2ネットワークへの移行に関する不確実性が背景にあると分析しています。
ビットコイン価格の底堅さについて、グレースケールは次の要因を挙げています。
- FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長による利下げ示唆
- ビットコインと米ドルの負の相関関係
仮想通貨の大規模採用への期待高まる
8月の仮想通貨市場では、注目すべき動きがいくつか見られました。
- ステーブルコインの時価総額が過去最高に接近
- 主要プロトコルのアップグレード実施
- Apple製品でのUSDC決済の可能性示唆
これらの動きは、仮想通貨の大規模採用への期待を高める要因となっています。
iPhoneで仮想通貨を用いたタッチ決済
今後の価格動向、マクロ経済と規制が鍵
グレースケールは、ビットコイン価格の今後の動向について、FRBの金融政策、仮想通貨に対する規制動向、米国の労働市場の状況が重要になると予想しています。
具体的には、米国の労働市場が安定して、FRBが利下げを実施し、さらに仮想通貨業界への規制が緩和されれば、ビットコイン価格は2024年後半に過去最高値を再テストする可能性があると予想されています。
一方で、失業率の上昇や景気後退の可能性といったリスク要因も指摘しています。これらは仮想通貨市場全体にとって下振れリスクとなる可能性があります。
投資家に対しては、今後の経済指標の動向、仮想通貨関連の規制動向、マクロ経済状況の変化に注目するよう促しています。これらの要因が、今後の仮想通貨市場の動向を大きく左右する可能性があるためです。
2024年8月の仮想通貨市場は、ボラティリティの高い展開となりましたが、ビットコインは相対的に堅調な推移を見せました。グレースケールの分析によれば、今後の市場動向はマクロ経済状況と規制環境に大きく影響されるでしょう。投資家は、これらの要因を慎重に見極めながら、投資判断を行う必要がありそうです。
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Souce:Grayscaleレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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