イーロン・マスク(Elon Musk)氏は仮想通貨の詐欺ボットが持つ技術力に感銘を受けています。しかし彼が語った一言は、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏の心に小さな傷を与えることになりました。
Twitterの詐欺ボット
Twitter(ツイッター)上に存在している詐欺ボット(Scambots)は、これまでにも数々のユーザーから仮想通貨を騙し取ってきました。それらの“ボット(*1)”はマスク氏のような有名人になりすますことで、様々な手法を使って世界中のユーザーから仮想通貨を盗み続けています。
(*1)ボット:機械を使った自動発言システム。自動ツイートや特定のユーザーに対するリプライなどを行う様々な種類がある
一般的な手法の一つとしては「後で大量の仮想通貨を返却するので、先に少額だけ送金してくれ」と頼むことによって、複数のユーザーから少量の仮想通貨をだまし取っていくものなどが挙げられます。マスク氏はその中でも”イーサリアムの詐欺ボット”に興味を示しています。
感銘を受けるイーロン・マスク
イーサリアム(ETH)の詐欺ボットもまた、数々の著名人になりすますことで多くのETHを騙しとっており、世界中のユーザーや有名人たちを困らせてきました。テスラ(Tesla)社とSpaceX(スペースX)社のCEOを勤めているイーロン・マスク氏も”なりすまし”の被害を受けている一人ですが、マスク氏は逆にそのような詐欺ボットに感銘を受けています。
私は誰がイーサリアムの詐欺ボットを運営しているのか知りたい!凄いスキルだ…
マスク氏はこれらの詐欺ボットの高い技術力に注目していますが、現時点ではこれらのアカウントが”どこの誰によって、どのような方法で開発され、運営されているのか”がわかっていません。以前から重要な問題として取り上げられているこれらの詐欺ボットには、各方面から適切な対処が求められています。
ショックを受けるヴィタリック・ブテリン
イーサリアム(ETH)の生みの親として知られるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、かの有名なイーロン・マスク氏からの初めてのイーサリアムに対するコメントが”詐欺ボットの技術”に対する評価であったことにショックを受けています。それと同時にTwitterのCEOであるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏に対してこれらの問題の改善を求め、イーサリアムコミュニティのメンバーに対して、詐欺をフィルタリングする機能の作成を望んでいます。
イーロン・マスク氏のイーサリウムに関する初めてのツイートは、詐欺ボットについてではなく、イーサリアムの技術に関するものであって欲しかった…
ジャックは私たちを助けてくれますか?
またはイーサリアムコミュニティのメンバーがレイヤー2(*2)
の詐欺フィルタリングソリューションを作成してくれませんか?
(*2)レイヤー2(セカンドレイヤー):ブロックチェーン上に記載されないオフチェーンのこと
ブテリン氏はこの問題を深刻に受け止めて、自身のTwitterネームに「ETHを与えてはいない
」と追記しています。そして寛大な心を持つブテリン氏は、マスク氏の”Etherium”というスペルミスを指摘していません。
ビットコインは持っていない
マスク氏も今年の2月に「実際に仮想通貨を購入したことはなく、友人から贈られた少量のビットコイン(BTC)しか持っていない」ことを明かしています。
それだけでなく、昨年11月頃に「マスク氏が”サトシ・ナカモト“なのではないか?」という憶測がネット上で話題になったことについても否定しています。
イーロン・マスクの記事はこちら
マスク氏は冗談交じりなコメントを語っているものの、Twitterを利用しているユーザーは、これらの詐欺行為には今後も十分注意しておく必要があるでしょう。
「ビットコインは世界の単一通貨になる」と語っているジャック・ドーシー氏は、多くのTwitterユーザーから何かしらの対応をとることを求められています。しかしながらマスク氏が語るように、これらの詐欺ボットを動かしている人々はかなりのスキルを備えていると予想されるため、今後もこれらの戦いや議論は続いていくことになるでしょう。
基本的にはほとんどの著名人たちは、Twitter上でこのような行為を行なっていないため、騙されることのないように注意しておきましょう。