次世代ドメイン提供のD3、2,500万ドルの資金調達完了「Doma Protocol」の発表も

by BITTIMES

2,500万ドルの資金調達・Doma Protocolなどの発表

Web2・Web3に対応した次世代ドメインを展開している「D3」は2025年1月30日に、Paradigmが主導するシリーズAの資金調達ラウンドで2,500万ドル(約38億6,360万円)の資金調達を完了したことを発表しました。

D3は、仮想通貨の送受信などに活用できる次世代ドメインを販売している企業であり、シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)関連のドメインである「*shib」や「*ape、*core、*vic」などといった複数種類のトップレベルドメインが用意されています。

ユーザーは「bittimes*shib」といったように自分の好きな文字列を組み合わせたドメイン名のNFTを購入することが可能で、D3の管理画面からドメイン名に各種ウォレットアドレスを紐づけると、対応しているサービスなどで自分のドメイン名を用いて仮想通貨を送受信できる仕組みになっています。

今回の資金調達ラウンドには「Coinbase Ventures」やその他のエンジェル投資家も参加したとのことで、公式発表では「今回の資金調達はWeb2・Web3のリーダーたちが"DomainFi"に賛同していることを示している」とコメントされています。

Paradigmが主導し、Coinbase Venturesやその他の戦略的エンジェル投資家が参加するシリーズAラウンドで2500万ドルを調達したことを発表できることを誇りに思います。

この資金調達は、Web2・Web3のリーダーたちが「DomainFi」に賛同していることを示しています。DomainFiは、ドメインを3,400億ドル以上の現実世界の資産クラスとして成長させるための分散型金融レイヤーです。

今回の資金調達は「デジタル資産クラスとしてのドメインの成長を加速させるためのもの」と説明されていて、DomainFi向けに設計された世界初の専用ブロックチェーンとなる「Doma Protocol」など、以下のような複数の発表が行われています。

Doma Protocol上のDomainFiネットワーク

Doma Protocolは、DomainFi専用に設計されたブロックチェーン。このブロックチェーンは3億6,200万以上の存在するドメインの流動性を解放するためのものであり、ドメインを構成可能でプログラム可能な資産へと変えるもの。不動産業界でREITが果たした役割を、ドメイン産業で果たすことを目指している。

D3はDoma Protocol上に「世界初のDomainFiネットワーク」を構築している。この革新的なブロックチェーンは、インターネットドメイン経済における新たな流動性・イノベーション・金融的機会を解放する。D3は主要な仮想通貨コミュニティと協力しながらこの取り組みを進めている。

Doma Protocolは、成長を続ける3,000億ドル規模以上の現実世界の資産クラスであるドメインに対し、トークン化とDeFi(分散型金融)を提供する。

ソラナ財団との協力

D3はソラナ財団と協力して、Solanaブロックチェーン上でWeb2・Web3ドメインを統合するインフラを構築している。これを通じて、Solanaの相互運用可能な支払い・IDソリューションをさらに強化する。

この取り組みには「.SOL」や「.SOLANA」というトップレベルドメインの申請も含まれる。

アバランチとの提携

アバランチは、DomainFiのパートナーとして「.AVAX」というトップレベルドメインの申請・ローンチを支援する。

Avalancheはフラッグシップパートナーとして、相互運用可能なネットワークと広大な開発者エコシステムを通じて、3,400億ドル以上のドメイン業界にDeFiユーティリティと流動性を提供する。

OneFootballとのパートナーシップ

OneFootballは「.football」形式のドメインを活用して、世界中に存在する1億8,000万人以上の月間アクティブユーザー向けに、ファンアイデンティティインフラを構築するため2位D3と提携している。

Plume Networkとの統合

Plume Networkは、DomainFiを新たな「Nest Protocol」内のボールトカテゴリーとして統合する。これにより、トークン化されたドメインが機関投資家向けの高利回りを生成し、これまで制限されていた資産や機会へのアクセスを民主化する。

Hockey.comとの連携

Hockey.comは、DomainFiを活用して「Hockey.com」のようなプレミアムドメインをトークン化した資産の分割所有を通じて、より多くの人々にアクセスを提供する。また、現在のドメイン所有者向けに流動性オプションを提供する。

ドメイン業界の様々な課題を解決

D3は公式発表の中で「ドメイン産業はインターネットの基盤を支える存在であるにもかからず、数十年前とほとんど同じ方法で運営されている」と指摘しており、ドメイン業界には以下のような複数の問題が存在すると説明しています。

  • 遅い手動プロセス
    ドメインの購入・販売・譲渡は非常に時間がかかる。エスクローサービスや手動のコンプライアンスチェック、時代遅れのシステムにより、数週間から数ヶ月もかかる場合がある。
  • 不透明なシステム
    透明性は事実上存在しない。ドメインの所有権データは断片化されており、評価は一貫性がなく、ブローカーは大幅な手数料を受け取るため、その結果として混乱と不信感が生まれている。
  • 流動性の低さ
    ドメインは静的な資産であり、取引が難しく、金融的に活用するのはさらに困難である。業界内での深いコネクションがない限り、ドメイン所有者が保有する資産を収益化する手段は限られている。
  • 孤立した環境
    開発者は断片化されたシステムや複雑な統合要件に直面しており、特にプログラマビリティの欠如がイノベーションを阻害している。

また、D3は「Web3ドメインの登場はドメイン業界の万能役になると期待されていたが、結果的には独自の問題を抱える結果になった」とも説明しており、Web3ドメインの課題として以下のようなものを挙げています。

  • リアルなインターネットへの接続がない
    現行のWeb3ネームサービスはICANNに認可されておらず、広範なインターネットインフラとは切り離されている。
  • ドメイン名の衝突
    「.wallet」のような競合するネームサービスが頻繁に衝突を引き起こし、ユーザーの混乱を招いている。統一されたシステムではなく、Web3は断片化・重複したソリューションで溢れている。
  • Web2/Web3ドメイン間に存在するギャップ
    最大の課題はWeb2・Web3のドメインソリューション間に存在するギャップを埋めること。この2つのソリューションは現在、完全に独立したサイロの中で機能している。ドメイン産業を進化させるには、Web2の非効率性やWeb3の断片化を引き継ぐことなく、中間の解決策を見つける必要がある。

DomainFiはこのようなドメイン業界の課題を解決するためのもので、ドメインをトークン化して検証可能なデジタル資産とすることによって、高速・安全・低コストな移転を実現し、収益化の機会をもたらし、イノベーションを推進するという方針が語られています。

D3が提供しているサービスはまだ限られており、D3のドメイン名を利用できる機会も限られていますが、今後は「Doma Protocol」や「DomainFi」にも関連するより多くのサービス展開が進められていくことになると予想されるため、今後の続報や詳細発表などにも注目です。

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Souce:D3公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:D3公式発表から引用

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