この記事の要点
- AEONがAI搭載の仮想通貨自動決済「AI Payment」導入
- オンライン・実店舗でAIが自律的に決済を完結
- 複数ブロックチェーン対応、高速で低コストな取引
- VisaやMastercardとも提携し世界展開を加速予定
AIによる仮想通貨の自動決済が実現へ
次世代の仮想通貨決済基盤を開発するAEON(イーオン)は2025年5月27日、AI(人工知能)を搭載した新しい仮想通貨決済プラットフォーム「AI Payment」を導入したことを発表しました。
同社の公式ブログによると、このプラットフォームは、AIエージェントがユーザーの代わりに商品検索から購買、決済までを自動実行する画期的な仕組みです。
従来は人手が必要だった一連のショッピング行動を、AIが人間の介在なしに完結できるようになるため、デジタルコマースから実店舗での買い物まで、よりスムーズで快適な購買体験が可能になると説明しています。
AEONは「AIエージェントが単なるデジタルアシスタントではなく、有能な経済主体となる未来を切り拓く」と強調しており、仮想通貨(暗号資産)決済領域の新たなトレンドとして国内外から大きな注目されています。
🤖AI Payment is no longer a feature. It's #AEON’s foundation.
From QR/NFC-based #cryptopayments to Swap Pay, every tool we build extends from this core—enabling AI agents to transact autonomously in real world commerce.
Search. Shopping. Checkout. #AIpayment starts here.… pic.twitter.com/V33hrIfyjN
— AEON.XYZ (@AEON_Community) May 27, 2025
🤖AI Paymentはもはや「機能」ではありません。これは、AEONの基盤そのものです。
QRコードやNFC(近距離無線通信)による仮想通貨決済からSwap Payに至るまで、私たちが開発するすべてのツールはこのコアから生まれ、AIエージェントが現実世界の商取引を自律的に行います。
検索、ショッピング、チェックアウト——AI paymentの出発点はここにあります。
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AI Paymentで広がる仮想通貨決済の可能性
オンライン・実店舗両方に対応するAI決済機能
AI Paymentはオンライン決済から実店舗決済まで幅広く対応する統合スタックを備えています。
具体的には、AIエージェントがオンラインで商品の購入から決済まで行う機能や、スマートフォンでQRコードを使った店舗決済サービス「AEON Pay」が利用可能とされています。
また、チェーン間の資産スワップを自動で行う「Swap Pay」では、保有する仮想通貨を別のチェーンの資産に即時変換して支払うことが可能となっています。
さらに将来的には、NFC(近距離無線通信)を活用した非接触型決済も導入予定で、利便性の向上が期待されています。
AI Paymentの安全性を支える高度なセキュリティ技術
AIエージェントに財務取引を任せる上で、AEONはユーザーの安全と信頼性確保のための仕組みを導入しています。
具体的には、AIエージェントの身元と行動を人間の本人確認(KYC)同様に検証する「Know Your Agent(KYA)」を採用していることが報告されています。
また、大規模言語モデルを活用した「支払い意図の検証機能」で、AIの行動がユーザーの意図に沿っているかを確認します。
さらに、ゼロ知識証明(ZKP)を利用した分散型ノードネットワークにより、取引の安全性と正当性を担保し、不正や意図しない支払いを防止しています。
マルチチェーン対応の柔軟な決済基盤
AI Paymentは特定のブロックチェーンに依存しない設計を採用しています。
イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、トンコイン(TON)、トロン(TRX)、ステラ(XLM)などの主要ブロックチェーンとの連携をすでに実現しており、高い汎用性があります。
これにより、ユーザーや開発者はブロックチェーンの種類を問わず、柔軟に決済機能を導入できるため、新規ブロックチェーンへの対応も迅速に行うことができるとされています。
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AEONが目指す仮想通貨決済の普及戦略
加盟店フレンドリーな設計による導入促進
AEONは実店舗での現実的な商取引に対応した機能を提供し、加盟店への導入を促進しています。
加盟店は、AEONのプロトコルが複数のブロックチェーンやトークンを自動的に処理するため、ウォレット管理や通貨変換の手間を省くことができます。
さらに、決済代金を現地法定通貨で即時受け取る仕組み(自動換金)も整備されており、既存の決済インフラからの移行も容易にしています。
日常的な利用を促す高速・低コスト決済
AEONは分散型の「グローバルマスターノードネットワーク」を活用し、高速かつ安価なトランザクション処理を実現しています。
これにより小口決済でも手数料を抑え、日常的な買い物で仮想通貨をストレスなく利用できる環境を提供しています。
AI決済がもたらす加盟店と顧客のメリット
ユーザー側では、AIエージェントが24時間自動で商品検索や最安値の確認、購入決済を代行するため、大幅な時間と手間の削減が可能です。
さらに、サブスクリプションや定期送金などのルーティン支払いをAIが管理するため、支払い忘れや更新作業の負担が軽減されます。
一方、加盟店はAIエージェントを経由した新規顧客の獲得や、決済プロセス自動化による人件費削減、仮想通貨経済圏からの収益拡大が期待できます。
AEONは「世界のオンラインおよび実店舗の80%以上への導入」を目標としており、今後加盟店にとって重要な決済手段となる可能性があります。
今後のロードマップと業界標準化への取り組み
AEONは2025年中にVisaやMastercardと提携を進め、北米・欧州市場へのサービス展開を計画しており、世界初となる「事前承認不要のワンタイムAIエージェント決済」の導入を目指しています。
さらに2026年には「Know Your Agent」などの高度なセキュリティ、包括的な規制コンプライアンスを整備し、AIエージェントによる決済および認証の業界標準を目標にしていることも明らかにされています。
このロードマップを通じて、世界の決済取引の80%以上をAIエージェントが担う未来を実現する計画です。
世界中の企業に仮想通貨決済を提供
世界に広がるAI決済市場|Visa・Mastercardも参入
大手決済企業も相次いでAI決済市場に参入
AI決済分野への参入はVisaやMastercardなど大手決済企業も積極的に進めており、業界トレンドになりつつあります。
Visaは2025年4月、自社イベントでAIエージェントが自動で商品購入まで完結できる新プラットフォーム「Visa Intelligent Commerce」を発表しました。
Visaは同年後半に欧州市場からサービスを開始し、日本市場への展開も視野に入れていると明かしています。
さらにMastercardも、AIエージェント決済技術「Mastercard Agent Pay」を発表し、信頼性と安全性を重視した自動決済を提供すると報告しています。
同社はMicrosoftと協力してAI基盤を構築し、既存加盟店でもチャット形式のAI決済技術を導入するとしています。
注目を集めるAEONの決済網
SNS上でもAEONの決済ネットワーク拡大への注目は高まっています。
Conflux(コンフラックス)の公式Xアカウントでは「AEONとの提携により、CFXの決済が東南アジア全域のオフライン加盟店で利用可能になった」と投稿されており、決済網の拡大を強調しています。
AEONのプロジェクトを主導するのは、2023年創業のスタートアップ企業「AEON Protocol」で、Web3やフィンテックの専門人材が多数在籍しています。
チームには元Binance(バイナンス)やChainlink(チェーンリンク)、Google出身者が参加しており「仮想通貨版Visa」を目指す新世代の決済プロトコルとして期待されています。
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Source:AEON公式ブログ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





























