JPモルガン、ビットコインETF担保融資を準備
米大手銀行JPモルガン・チェースは2025年6月4日、ビットコインETFを融資の担保として受け入れる準備を進めていることが明らかになりました。
ブルームバーグの報道によると、ブラックロックが提供する現物ビットコインETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」を担保とした融資サービスを数週間以内にも開始する予定であることが伝えられています。
今回の新たな方針は同社のトレーディング部門・ウェルスマネジメント部門の全世界の顧客が対象となり、個人投資家から富裕層に至るまであらゆる顧客層がビットコインETFを担保に資金を借り入れできるようになる見通しです。
この動きは仮想通貨が機関投資家向け金融サービスに本格統合される象徴的な出来事として、市場から大きな注目を集めています。
顧客向けBTC購入サービス開始へ
融資対象を他の仮想通貨ETFにも拡大予定
JPモルガンが開始を計画しているこの融資サービスでは、初めはIBITが対象とされていますが、その後は他の仮想通貨ETFも順次担保として追加されていく見通しであることが報じられています。
さらに一部顧客では、直接保有するビットコイン(BTC)などの仮想通貨も担保評価に含める予定です。
JPモルガンは、株式や不動産、美術品など従来の資産と同じくデジタル資産を担保として認め、仮想通貨の評価額に応じて融資限度額を決定する方針と見られています。
これまでは仮想通貨ETFを担保とした融資は一部の特例を除き限定的でしたが、今回の措置はそうした状況を正式に拡大する動きです。
なお、記事執筆時点でJPモルガンから本件に関する公式発表やコメントは行われていないものの、近年の仮想通貨市場拡大と投資家需要の高まりが同社の方針転換を促したものとみられています。
米大手銀行も仮想通貨取引サービス提供へ
JPモルガンCEO、BTC否定から劇的な方針転換換
JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、長年ビットコインに懐疑的な立場を取っていました。
2017年9月には「ビットコインは詐欺だ」と公言し、自社のトレーダーがビットコインを取引していたら「即座に解雇する」とまで述べたこともありました。
しかし同氏は5月19日に開催されたJPモルガンの年次投資家デーで、顧客向けにビットコイン購入サービスを近日中に開始する方針を明らかにしています。
ダイモン氏は株主に対し「JPモルガンとして皆さんがビットコインを購入できるようにするつもりだ」と述べる一方で、同行がビットコインのカストディ(保管管理)サービスを提供する計画はないことも付け加えました。
ダイモンCEOの仮想通貨に対する見解
ウォール街の仮想通貨に対する姿勢変化
ビットコイン否定派であったダイモン氏のこの発言は大きな注目を集めています。
ただし、同氏は依然として「ビットコインは人身売買やマネーロンダリングといった違法行為に使われているため支持できない」という立場を変えていません。
その中で「ビットコインを買う権利を擁護する」と語ったダイモン氏の方針転換は仮想通貨業界でも話題となり、米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)会長のマイケル・セイラー氏もこの発言を自身のX(旧Twitter)上で引用して紹介しています。
仮想通貨業界内では「顧客のためとはいえ、かつてのビットコイン否定派がここまで軟化した」として、JPモルガンの動向に注目する声も上がっています。
世界各国でビットコインETFの承認が相次ぎ市場規模が急拡大する中、ウォール街大手銀行の仮想通貨参入は今後さらに加速すると予想されます。
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Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






























