仮想通貨に関連するマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪は、世界的にも大きな問題の一つとなっています。イギリスのロンドン警察は、ビットコイン(BTC)などの暗号通貨をより適切に取り締まる為の新しい訓練プログラムを開始しました。
ロンドン郊外の警察当局は、昨年の秋に仮想通貨などを通じた詐欺についての調査を行い、数十億ポンド(数千億円)ものお金がビットコイン(BTC)などの仮想通貨で資金洗浄された可能性があるという警告を発表しています。
今回発表された訓練プログラムは、これらのマネーロンダリングなどの問題を解決するための詐欺捜査官を育成することを目的としています。
育成コースの参加者には、仮想通貨関連の捜査を行う際に、暗号化技術などに関しても適切に認識し、理解した上で管理するために必要な知識とスキルが提供されます。これらの育成コースは2回の試験的なプログラムが実施された後、今年の秋頃を目処に全国的に展開することも予定されています。
この新しい警察官の訓練コースは世界の先駆けとなる可能性を秘めています。仮想通貨の存在は、もはや世界中で無視できないものとなっており、潜在的に秘められた可能性を無駄にすることのないように活用しつつ、それに伴う犯罪の懸念にも対処する必要があります。
マネーロンダリングなどの行為は世界的な重罪であり、仮想通貨のイメージを悪化させているものの一つでもあります。これらの犯罪行為に適切に対処できる機関が生まれることによって、仮想通貨産業全体に大きな正当性がもたらされることになるでしょう。
暗号化技術の先進国へ|イギリス
イギリスは仮想通貨に対して厳しい規制を設けていることで知られていますが、仮想通貨やブロックチェーン技術の研究開発や人材育成にはとても力を入れています。
イギリスの公立研究大学であるインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の教授らが発表した報告書では、「仮想通貨は今後10年で一般的な決済手段になる」という見解が綴られています。
この他にも、同国の研究大学である「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics)」では、仮想通貨やブロックチェーンが経済にどのような影響を与える可能性があるのか?などを基本的な内容から学ぶことができるオンラインコースの提供を予定しています。
専門知識を有する警察官の育成や、暗号化技術に関する専門家の育成に力を入れるイギリスは、今後数年間で世界でもトップクラスの仮想通貨先進国へと成長していく可能性を秘めています。
世界中で暗号化技術の研究が進められていることを考えると、これからは日本でも仮想通貨やブロックチェーンに関する知識が様々な分野で求められていくことになることは間違いないと言えるでしょう。