Coinbase、ビットコイン還元クレジットカードを発行|最大4%のBTC報酬も

Coinbase、ビットコイン還元クレジットカードを発行|最大4%のBTC報酬も(Coinbase launches Bitcoin rewards credit card offering up to 4% BTC cashback)
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Coinbase、初の独自カード発行

米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は2025年6月12日、カード大手American Expressと提携し、最大4%のビットコイン(BTC)報酬が受けられる新たなクレジットカード「Coinbase One カード」を発行すると発表しました。

Coinbaseにとって初の自社クレジットカードであり、American Express(Amex)のカードネットワークを利用して提供されます。

このカードはCoinbaseの有料会員サービス「Coinbase One」加入者(米国在住者限定)を対象に2025年秋に提供開始される予定で、利用額に応じて最大4%のBTCが還元される仕組みです。なお、日本を含む米国以外では現時点で利用不可とされています。

ビットコインが貯まる「Coinbase Oneカード」

最大4%のBTC還元と利用条件

今回発表された「Coinbase One カード」は、年会費49.99ドル(約7,100円)のCoinbase OneのBasicプラン加入者に対して追加費用なしで提供されます。

カード利用によるBTC報酬率は、最初は一律2%で、Coinbase上の資産額などの条件を満たすことで最大4%まで引き上げられます。

報酬として付与されたBTCは、ユーザーのCoinbase口座に蓄積され、売却や送金にも対応しています。なお、一部の現金同等取引やギャンブル関連の支払いは報酬付与対象外になる点には注意が必要です。

Coinbase One加入で得られる4つの特典

Coinbase One会員サービスの主な特典として、以下のようなサービスが提供されます:

  • 取引手数料が月額500ドルまで無料:月間500ドル(約7万円)相当までの現物取引手数料が無料となり、それを超える分にはスプレッドを適用
  • USDC年利4.5%(上限1万ドル)ステーブルコイン「USDC」の保有分に対し年率4.5%(約1万ドル=約143万円まで、以降は年4.1%)の利息を付与
  • ステーキング報酬の上乗せイーサリアム(ETH)ソラナ(SOL)など対象銘柄で得られるステーキング報酬率が、通常の報酬率に加えてさらに5%増加
  • 独自チェーン「Base」の利用補助:Coinbaseのレイヤー2ネットワーク「Base」上で発生するガス代を毎月10ドル(約1,400円)分まで補填するクレジットを提供

仮想通貨保有者向けのAmex優待

さらにクレジットカード会員には、American Expressのネットワーク特典も付帯されます。

具体的には、購入商品の破損・盗難補償やメーカー保証延長サービス、返品補償といった消費者保護に加え、旅行キャンセル保険・手荷物紛失補償など旅行関連保険、空港ラウンジを含む「Amexオファー」や「Amexエクスペリエンス™」へのアクセス権など、多岐にわたる優待・保険サービスが利用可能と説明されています。

これらAmerican Expressならではの付帯特典により、日常の買い物から旅行までカードの利用が可能となっています。

また、カード自体は高級感のあるステンレス製(重量17グラム)で、表面にはビットコインのジェネシスブロックに由来するテキストが刻印されています。

具体的には「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks」というジェネシスブロックのメッセージ(一部抜粋)が刻印され、ビットコインの起源への敬意が表現されています。

カードの提供時期と市場評価

カードの正式提供開始は2025年秋頃と予定されており、米国在住のCoinbase One会員は既に事前申し込み(ウェイトリスト登録)が可能となっています。

American Express幹部のウィル・ストレドウィック氏は、Coinbaseとの提携について「現在の顧客ニーズを的確に捉えた優れた内容であり、仮想通貨分野でのCoinbaseとAmexの強力な組み合わせには大きな可能性がある」とコメントし、新カードへの期待感を示しています。

一方、米国の投資家インフルエンサーであるグレアム・ステファン氏は、自身のX(旧Twitter)で「“最大4%”の還元を受けるには相当額の仮想通貨をCoinbase上に預けた上で年間約10,250ドル(約150万円)をカード決済に充てる必要があり、年会費を考慮すると一般的な2%還元のクレジットカードよりメリットは小さいのではないか」との見解を示しました。

この投稿は「利用状況次第では他のカードの方が得になるケースもある」との指摘であり、カードの実際の利便性やユーザー評価が今後注目されそうです。

Coinbaseの事業拡大戦略:デリバティブとUSDC決済への展開

Coinbaseは本カードの発表以外にも、2025年に入ってから複数の重要な戦略展開を進めています。

Deribit買収でデリバティブ事業強化

5月8日には、世界有数の暗号資産デリバティブ取引所であるDeribit(デリビット)を約29億ドル(約4,150億円)で買収する契約を締結したと発表しました。

デリビット買収は、オプション取引など収益性の高いデリバティブ分野への本格参入を狙った動きであり、アジアや欧州を含む非米国市場での事業拡大にも繋がると期待されています。

Coinbase経営陣は「今回の買収でアジア・欧州などレバレッジ取引が盛んな地域に足場を築ける」と述べており、米国外ユーザー基盤の強化にも意欲を見せています。

CFTC準拠のパーペチュアル先物取引を米国で開始

また、6月12日(現地時間)開催の「State of Crypto Summit 2025」においては、米国の規制当局CFTCの基準に準拠したパーペチュアル(無期限)先物取引サービスを米国内で近く開始する計画も明らかにされました。

Coinbaseのプロダクト担当バイスプレジデントであるMax Branzburg氏は同イベントで「近く米国でCFTC準拠のパーペチュアル先物取引をローンチする」と述べており、これが実現すれば米国拠点の個人投資家も24時間365日、高レバレッジの先物取引にアクセスできるようになります。

パーペチュアル契約はこれまで米国外ユーザー向け「Coinbase International Exchange」で提供されてきましたが、米国内市場での提供は初となる見通しです。

Shopifyと連携してUSDC決済を世界展開

なお同サミットでは、CoinbaseがECプラットフォーム大手Shopifyと提携し、自社ブロックチェーン基盤「Base」を活用した米ドル連動型ステーブルコインUSDC決済を、世界数百万の加盟店に拡大する計画も発表しました。

この取り組みは2025年6月中に一部加盟店で試験導入された後、年内にも広範囲に展開される予定と報じられています。

Coinbaseはこのように決済分野からデリバティブ取引まで事業領域を広げており、包括的な仮想通貨プラットフォームへの進化をさらに加速させています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.99 円)

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Source:Coinbase公式ブログ
サムネイル:Coinbase公式ブログより引用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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