ビットコイン価格、年末に向けて強気見通し
米スカイブリッジ・キャピタル創業者であり、元ホワイトハウス広報部長のアンソニー・スカラムチ氏は2025年7月10日、ビットコイン(BTC)の覇権が強まっているとして、年末までに価格が15万〜18万ドル(約2,200万〜2,600万円)に達する可能性があるとの見解を示しました。
スカラムチ氏は、機関投資家によるビットコインへの需要は今後さらに拡大すると述べており、新たに仮想通貨市場に参入する資金の約80%がビットコインに流入すると述べています。
また同氏は、中東や欧州の地政学的リスクや景気後退の懸念、コロナ禍後の経済的な影響など、複数の逆風が引き続き市場に影を落としていると指摘しました。
一方で、こうした不安定な状況にもかかわらず、ビットコインへの資金流入は続いており、なかでもビットコインETFを通じた大口買いが顕著であると同氏は強調しています。
記事執筆時点におけるビットコインの価格は約11万6,000ドル(約1,690万円)で、過去最高値に近い水準で堅調に推移しています。
BTC/USDのチャート画像(画像:TradingView)
円建てでも最高値に迫る
スカラムチ氏が語るビットコイン価格上昇シナリオ根拠
スカラムチ氏は、過去の価格予測が外れてきたことを認めつつも、現在の市場環境を考慮すれば「1 BTC=18万ドル」という水準も十分に現実的との見解を示しています。
機関投資家の動向とETFの影響
こうした強気な見通しの背景には、機関投資家からの資金流入が大きな要因としてあると同氏は述べています。
同氏によれば、仮想通貨市場に新たに流入している資金の約80%がビットコインに集中しており、特に現物型ビットコインETFを通じた買い注文が目立って増加しているといいます。
このような傾向から、ビットコインは機関投資家にとって「デフォルトの選択肢」としての地位を確立し始めていると同氏は分析しています。
また、ETFの普及によってビットコインへの間接投資が容易になった点も、需要拡大を支える一因だと述べました。
スカラムチ氏自身が運用するETF「CRPT」もビットコイン連動型の戦略を採用しており、現物を保有しない投資家にとって有効な代替手段となっていると説明しています。
地政学リスクと安全資産としての再評価
地政学的リスクや景気後退への懸念など、不確実性の高い状況が続く中においても、ETFを通じたビットコインの買いは衰えていないといいます。
こうした背景から、ビットコインを「安全資産」として再評価する動きが広がっていると同氏は指摘しました。
同氏は、中東やウクライナ情勢など世界各地で緊張が続く中にあっても、オンライン取引におけるビットコインの買い需要は堅調に推移していると強調しています。
規制整備と今後の見通し
さらに、米国で進む仮想通貨規制の整備も、市場に安心感をもたらす重要な動きとしてスカラムチ氏は注目しています。
同氏は、ステーブルコインに関する法案や市場構造を巡る規制が近く可決される可能性が高いとの見解を示し、これにより制度的な信頼が高まり、機関投資家の本格参入が促進されると分析しています。
スカラムチ氏は、機関投資家からの資金流入が継続していること、ETFを通じた投資環境の成熟、そして仮想通貨規制の明確化という3つの要素を挙げた上で、ビットコインが2025年末までに18万ドルに到達する可能性は十分にあると見解を示しました。
「5年以内に50万ドル」米著名投資家見解
仮想通貨市場に強気見通し広がる
スタンダード銀とヴァンエックのBTC見通し
複数の大手金融機関もビットコインの今後の価格上昇に対して強気な姿勢を示しています。
英スタンダードチャータード銀行は、ビットコイン価格が2025年末までに20万ドルに到達するとの見通しを示しました。
同行は、現物型ビットコインETFの承認によって資金流入が加速し、企業による財務資産としての採用拡大も価格の上昇を後押しすると指摘しています。
米資産運用大手ヴァンエック(VanEck)も、2025年にビットコイン価格が18万ドル前後まで上昇するとの見通しを示しました。
同社は「2025年前半に一度ピークを迎えた後、一時的な調整を経て、年後半に再び最高値を更新する二峰性の上昇サイクル」を想定しています。
専門家が語る短期と中長期の相場観
米著名投資家のティム・ドレイパー氏も、規制環境の整備や企業によるビットコインの準備資産化の動きを背景に、年内にビットコインが25万ドルに達する可能性が高いとの見解を示しました。
一方で、市場には慎重な見方もあります。仮想通貨分析企業コインパネルのキリル・クレトフ氏は、ビットコインが2025年末までに13万5,000〜20万ドルに上昇する可能性を示しながらも、短期的には9万5,000〜11万5,000ドルの範囲で推移するとの見方を示しています。
クレトフ氏はオンチェーンデータから「現在100,000ドル前後の価格帯で大口投資家が着実に買い増しており、流動性が低下している」と指摘し、現在の相場は強気相場に入る前の「蓄積段階(アキュムレーションフェーズ)」にあると分析しています。
ビットコインを巡って強気派と慎重派の見解が交錯する中、今後の価格推移と機関投資家の動向に注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.47 円)
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Source:アンソニー・スカラムチ氏インタビュー動画
サムネイル:AIによる生成画像




























