ブラックロックのETHA、史上3番目の速さで100億ドル突破
2025年7月24日、ブラックロックが運用するイーサリアムETF「iShares Ethereum Trust(ETHA)」が、ETF業界32年の歴史の中で3番目に速いペースで運用資産残高100億ドル(約1兆4,700億円)に到達したことが明らかになりました。
ETHAは設定から251日で100億ドル規模に達しており、ブラックロックのビットコインETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の34日間、フィデリティのビットコインファンド「Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)」の54日間に次ぐ、過去3番目の記録となっています。
米ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、ETHAの運用資産額が直近10日間で50億ドル(約7,370億円)から100億ドルへと倍増した点について、短期間で大幅な価格上昇が起きる「ゴッドキャンドル(God candle)」現象に匹敵すると述べました。
LOOK OUT: $ETHA just hit $10b in one year flat, the 3rd fastest ETF to hit that mark in history after (you guessed it) two bitcoin ETFs $IBIT & $FBTC. Amazingly it went from $5b to $10b in just 10 days (ETF asset equiv of a God candle). Is in Top 5 in flows 1M, 1W. Sister Hazel! pic.twitter.com/Jrrb15BdHV
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) July 24, 2025
イーサリアムETF「ETHA」が、わずか1年で運用資産額100億ドルに到達しました。これはETF史上3番目のスピード記録であり、1位と2位はご想像の通り、2つのビットコインETF「$IBIT」と「$FBTC」です。
特に驚くべきは、ETHAが50億ドルから100億ドルにわずか10日間で倍増したことです(まさにETF資産の「ゴッドキャンドル」と言える急成長です)。過去1か月、1週間の資金流入額ではトップ5にランクインしています。
ETFアナリストのネイト・ジェラシー氏は、ETF業界には過去30年以上で約4,400本のETFが存在する中、最も早く100億ドルに到達した上位3本がいずれも仮想通貨ETFである点に注目しています。
その上で、従来の金融商品では見られなかった急速な成長が浮き彫りになったと指摘しました。
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イーサリアムETF「ETHA」の急成長、その背景とは
要因はETH価格の上昇と資金流入
ETHA(iShares Ethereum Trust)は、2024年7月のローンチからわずか251日で運用資産残高が100億ドル規模に到達するまでに成長しています。
この成長スピードは、伝統的な株式ETFの中でも最速とされる「JPMorgan Equity Premium Income ETF(JEPQ/ナスダック高配当株ETF)」が100億ドルに到達するまでに要した444日を大きく上回る結果となりました。
今回のETHA急成長の背景には、基盤である「イーサリアム価格の上昇」と「新規資金流入」の相乗効果が挙げられています。
バルチュナス氏は、ETHAの運用資産が10日間で倍増した背景について「多くはETH価格の上昇によるものだが、資金流入も非常に強かった。両者がお互いに影響しあっており、ETFがこれほど短期間で成長するのは極めて異例」と述べました。
GENIUS法成立で投資環境が改善
米国における仮想通貨市場の規制環境が改善されたことも、ETHAの急速な資産拡大を後押しした一因とされています。
2025年1月にトランプ政権が発足して以降、米国では仮想通貨に対して友好的な政策姿勢が示されており、7月18日にはステーブルコイン規制法案「GENIUS法」が正式に成立しました。
規制の明確化により法制度上の不透明感が軽減されたことで、機関投資家の仮想通貨市場への参入を促す要因となったとみられています。
イーサリアムETFへの投資が活発化
7月以降、イーサリアムETFへの資金流入は顕著に増加しており、米国の現物イーサリアムETFは7月3日から14営業日連続で純流入を記録しています。この期間の累計流入額は、44億ドル(約6,480億円)に達しました。
特に単日ベースでは、約7億2,670万ドル(約1,070億円)の資金が流入しており、機関投資家による購入ペースが加速していることが確認されています。
機関投資家の動向が左右する今後のETH市場
ETHAの急成長は、仮想通貨市場における機関投資家の関心の高さと、規制環境の整備が投資判断に大きく影響することを示しています。
今後も、米国における法整備の動向やマクロ経済の変化が、イーサリアムETFへの資金流入を大きく左右する要因になると予測されています。
イーサリアム価格は記事執筆時点で3,620ドル(約53万3,000円)前後で推移しており、市場ではETF関連の動きが短期的な価格形成に影響を与え続けるとの見方も出ています。ETHAの今後の動きについても、仮想通貨市場における重要な投資指標として注目される見通しです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.35 円)
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Source:エリック・バルチュナス氏X投稿
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