ビットコインを国家資産統計に含める新基準が合意
IMF(国際通貨基金)は2025年7月31日、ビットコイン(BTC)など一部の仮想通貨を「非生産・非金融資産」として扱う新たな統計基準の改訂方針をまとめたブログ記事を公開しました。
この方針は、国民経済計算体系(SNA)および国際収支マニュアル(BPM7)の改訂プロセスにおいて、各国の専門機関が合意のもとで策定した内容となっています。
新基準では、発行主体を持たないビットコインのような仮想通貨(暗号資産)を、各国の資産統計や国際収支統計に含めることが求められます。これにより、従来の統計枠組みにおける分類方法も見直される見通しです。
これまで、ビットコインは生産活動に寄与しないことから、GDPの構成には含まれていませんでした。一方で近年は、保有や取引を通じた経済への影響が拡大しており、今後は国家資産の一部として統計上に反映される方向性が国際的に示されています。
IMFは今回のブログ記事で、仮想通貨が世界の総資産に占める割合は現時点で小さいとしながらも「エネルギー消費や金融安定、課税、規制監督などの観点から影響を測定するには明確な統計的区分が不可欠だ」と指摘しました。
この分類変更は、国際的な統計基準の整備を目的とした取り組みの一環として進められたものであり、2025年3月には国連統計委員会によって全会一致で承認されました。
IMFは今後、各国の統計当局がこの基準に沿って仮想通貨を適切に分類・報告できるよう支援する方針を示しています。
IMFが仮想通貨の国際基準を更新
IMFの統計基準改訂とビットコインの非金融資産分類
国際合意でBTCを非生産・非金融資産に分類
IMFは、国民経済計算体系(SNA)および国際収支マニュアル(BPM)の改訂作業において、ビットコインを「非生産・非金融資産」と分類する国際的合意が形成されたことを明らかにしました。
この合意を受けて、ビットコインは今後、国民経済計算では”国家資産”に分類され、国際収支統計においては資本勘定として記録されると見られています。
ビットコインは発行主体を持たず、また金融機関の負債にも該当しないため、法定通貨とは異なり金融資産としては扱われません。一方、価値が法定通貨と連動するステーブルコインについては、引き続き金融資産に分類される方針です。
ビットコインが資産とみなされる理由
IMFは、ビットコインを”通貨”ではなく”資産”と見なす根拠として、取得や保有が生産活動によらず、また誰かの負債にも該当しない点を挙げています。こうした性質から、非金融資産として分類するのが適切と判断がなされています。
この分類方針は、ビットコインが各国経済に及ぼす影響を精密に把握するための重要なステップとされ、政策立案や統計精度の向上にも貢献すると見込まれています。
今後は、企業や個人が保有するビットコインも統計上の資産に位置づけられ、正式に記録対象となる見通しです。
「SNA 2025」と「BPM7」で仮想通貨の計上方法を明確化
IMFは現在、「SNA 2025」および「BPM7」と呼ばれる国民経済計算体系と国際収支マニュアルの最新版を策定中であり、その中で仮想通貨やデジタル資産の記録方法を体系化しています。
これに伴い、各国の統計当局は仮想通貨を統一的な枠組みで計上できるようになる見込みです。
新基準は2029年から2030年頃の導入が見込まれており、IMFは各国の統計機関に向けた技術支援や研修の提供も予定しています。これにより、ビットコインを含むデジタル資産の実態把握がさらに進むと予想されています。
国際収支統計にビットコイン取引を正式反映
統計基準の改訂により、企業や個人が海外から取得したビットコインの取引は、国際収支統計の資本勘定に正式に記録されるようになります。こうした取り扱いは、ビットコインが国際的な資産移転の手段として認知されていることを示しています。
IMFは、これらの統計情報が政策決定の基盤として極めて重要であると述べ、デジタル経済における資金の流れや影響を正確に捉えるためには不可欠だとしています。
今後、仮想通貨市場の動向は経済指標により一層反映され、各国の政策形成にも大きな影響を与えると見られています。
バイナンスCEO「仮想通貨は未来」
経済指標で示されるビットコインの重要性
2025年現在、ビットコインは価格上昇や市場規模の拡大を背景に、世界経済において無視できない存在となっています。
IMFは統計基準の改訂に関連し、ビットコインを「非生産・非金融資産」として分類する合意内容を発表しました。これにより、ビットコインの経済的影響が公式統計に反映される仕組みが整備されつつあります。
この新基準は、ビットコインの経済的影響を公式に認識する国際的な動きとして重要な一歩であり、今後の各国の統計や財政、金融政策にも影響を与える可能性があるとみられています。
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Source:IMFブログ
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