x402実装でカルダノが「AI決済基盤」へ進化
2025年10月27日、分散型AIエージェントネットワーク「Masumi」の共同創設者であるパトリック・トブラー氏は、自身のX(旧Twitter)で、HTTP 402ベースの新決済規格「x402」がカルダノ(Cardano/ADA)チェーンに統合されることを明らかにしました。
x402はGoogleやCoinbase(コインベース)が推進する決済仕様で、Masumiを通じてカルダノに導入されることで、AIエージェントによる自動マイクロ決済の実装が可能になります。
カルダノの米ドル連動ステーブルコインUSDMとADAを用い、x402経由でWeb上のミームコインを即時にミント(発行)するデモも示され、技術的インパクトの大きさが注目を集めています。
この発表に対し、カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン氏は「これはカルダノにとって非常に大きなことだ」と述べ、同規格の統合がネットワークの転換点になる可能性に期待を示しました。
This is very big for cardano https://t.co/hb9ahzCXAD
— Charles Hoskinson (@IOHK_Charles) October 27, 2025
これはカルダノにとって非常に大きなことです。
x402とMasumiがもたらすカルダノネットワークの変革
Google AP2にも採用されたx402の技術的特徴
x402規格は、かつて使われなかったHTTPステータスコード「402 Payment Required」に由来し、Coinbaseが開発しました。
x402はGoogleのAgent-Payment Protocol(AP2)にも組み込まれ、API経由でのマイクロペイメントを可能にする標準として採用されています。
この統合により、AIエージェントやサービスは、ログインや複雑な署名を必要とせずに、自律的で検証可能な支払い処理を実行できる点が強調されています。
AIエージェント間取引を変えるx402の利点
x402規格の導入背景として、AIエージェント同士の支払い/トランザクションが増加する中、従来のブロックチェーン支払いモデルでは「登録・認証・複雑な署名プロセス」がネックとなっていた点が挙げられています。
x402はこれらの手続きを不要とし、Web上の即時支払いを示す「402: Payment Required」の仕組みを応用しています。
カルダノがこの規格を採用した背景には、Masumiネットワークとの連携があります。
Masumiは、カルダノ上でAIエージェントを相互接続・協調させる分散型プロトコルであり、支払い/アイデンティティ/決定記録をスマートコントラクトにより管理する設計となっています。
カルダノのAI経済圏拡張を担うMasumi連携
トブラー氏はカルダノ上で行ったPoCについて「ユーザーが2 USDMと少量のADAを用意すれば、x402デモサイト上でミームコインを発行できる」といった簡便なデモ操作を紹介しており、この段階ではあくまで技術実証であり「投資機会ではない」と明言しました。
ホスキンソン氏は今回の導入を「カルダノをAIエージェント経済の金融的バックボーンにする可能性を持つもの」と捉えており、同ネットワークのユースケース拡張に向けた戦略的意義を示しています。
同氏は、この一連の取り組みをカルダノが2030年に向けてアクティブユーザー数1,000万人超を目指す過程で重要なマイルストーンと位置づけています。
カルダノ、5,000万ADAの投資と技術進化で次段階へ
カルダノコミュニティは2025年10月、5,000万ADAをステーブルコイン市場の流動性強化に充てる提案を可決しました。提案では90%をDEX(分散型取引所)とレンディングに配分する計画です。
さらに、カルダノブロックチェーン開発企業Input Output Global(IOG)は、次世代コンセンサス「Ouroboros Leios」が研究段階から実装段階へ移行したことを発表しました。
Leiosはスケーラビリティと性能向上を目的としており、カルダノのさらなる発展を支える技術として期待されています。
また、Layer2ソリューション「Hydra」のノード1.0.0がリリースされ、実メインネットでHydraヘッドの動作検証が可能となったことで、高速な分散アプリ開発も加速しています。
カルダノ財団は2025年11月12~13日にドイツ・ベルリンでサミットを開催予定で、同サミットではブロックチェーンとAI統合戦略が議論される見込みです。
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Source:チャールズ・ホスキンソン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像



























