ブラックロックCEO「トークン化はインターネット級の変革」|BUIDLが世界最大ファンドに

ブラックロックCEO「トークン化はインターネット級の変革」|BUIDLが世界最大ファンドに

この記事の要点

  • ブラックロックが2026年3月23日に株主向けレターを公開
  • フィンク会長が「資産トークン化はインターネット級変革」と表明
  • トークン化ファンド「BUIDL」が約3,200億円規模で世界最大に
  • 証券決済の即時化や投資アクセス拡大で市場構造変化の可能性

まずはRWA(現実資産)トークン化を詳しく理解する

目次

フィンク氏「トークン化は1996年のインターネット」

資産運用大手BlackRock(ブラックロック)は2026年3月23日、ラリー・フィンク会長兼CEOが株主向けレターを公開し、資産のトークン化が1996年のインターネットと同様の変革をもたらすとの見解を示しました。

ブラックロックのデジタル市場関連運用資産は約1,500億ドル(約23.8兆円)規模に拡大しており、ステーブルコイン準備金650億ドル(約10.3兆円)、ビットコイン現物ETFを含むデジタル資産ETF約800億ドル(約12.7兆円)が含まれています。

なかでも同社が運用するトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」は世界最大のトークン化ファンドとなっており、資産規模は約20億ドル(約3,180億円)に達しています。

フィンク氏はレターで「あらゆる資産をトークン化できれば、すべての投資家の利益となる」と述べ、ブロックチェーン基盤の証券決済が資本市場の効率性を根本から変えるとの認識を示しています。

決済効率から所有権の民主化へ、フィンク氏の変革論

即時決済が変える資本効率

フィンク氏がレターで指摘した問題意識の核心は、現行の証券決済インフラの非効率性にあります。

米国株式市場では現在、売買成立から決済完了まで1営業日(T+1)を要しており、この間に発生する決済リスクに対応するため、クリアリングハウスには日々何百億ドルもの担保が積み上げられていると説明しています。

同氏はこの仕組みについて「市場に滞留している資本があり、より生産的に活用できるはずだ」と指摘し、トークン化による即時決済(T+0)への移行が担保拘束の解放につながる可能性があると述べました。

さらにフィンク氏は、トークン化されたファンドであれば最低投資額の引き下げが可能となり、これまで機関投資家に限られていた資産クラスへの個人投資家の参入障壁が大幅に下がるとの見方を示しています。

ブラックロックが描くトークン化戦略

こうした変化を背景に、ブラックロックはトークン化戦略を本格化させています。

同社は2024年3月にトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」をイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で立ち上げ、その後アバランチ(AVAX)アプトス(APT)など複数のネットワークへ展開してきました。

当初は小規模にとどまっていたものの、2026年3月時点で約20億ドルまで成長しており、トークン化ファンド市場における事実上の標準として定着しつつあります。

こうした動きの背景には、フィンク氏が重視する「資産運用の民主化」という考えがあります。同氏はレターの中でこの言葉を繰り返し用い、資産運用へのアクセスが一部の富裕層や機関投資家に偏っている現行構造を問題視しています。

トークン化は、この構造を変革する手段として位置付けられており、技術的な革新であると同時に、投資機会の拡大を通じた社会的公正の実現を目指す取り組みと捉えられています。

トークン化実用化を加速させる2つの力

フィンク氏は、トークン化の普及には規制環境の整備が不可欠との認識も示しており、証券のデジタル化を促進する制度的基盤の構築を当局に求めています。

米国では現在、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の審議が上院銀行委員会で進められており、デジタル資産の規制管轄を明確化する動きが立法・行政の両面から加速しています。

また、3月19日にはFRB(米連邦準備制度理事会)が銀行の仮想通貨カストディに適用されてきた1,250%のリスクウェイトを見直す改革案を公表しており、大手金融機関がデジタル資産業務に参入しやすい制度環境が整いつつあります。

こうした制度整備と、ブラックロックのような大手資産運用会社による商品拡充が並行して進むことで、トークン化市場の実用化はさらに加速するとみられています。

「所有権を民主化する」フィンク氏が描く到達点

フィンク氏はレターで、トークン化の究極的な目的として「すべての投資家に所有権の平等なアクセスを提供すること」を掲げています。

年金制度の拡充や退職貯蓄の早期開始、デジタル化による投資参加の裾野拡大を通じて、資本市場の恩恵が富裕層に偏在している現状を是正すべきだと主張しています。

一方で同氏は、トークン化技術に一定の期待を示しつつも「インフラが整っていない市場ではリスクも伴う」と指摘しており、普及の前提として決済システムや本人確認(KYC)インフラの整備が必要であるとしています。

フィンク氏はビットコインについても言及し、基軸通貨としてのドルの地位が揺らいだ場合に「デジタルゴールド」として代替的な役割を担う可能性があるとの認識を示しました。

大手資産運用会社のトークン化競争が激化

トークン化をめぐっては、フランクリン・テンプルトンやフィデリティなど他の大手資産運用会社も相次いでトークン化ファンドの組成に着手しており、機関投資家市場での競争が本格化しています。

トークン化ファンドの普及が金融インフラ全体の再設計へとつながるかは、規制当局の最終判断と制度整備の進展に大きく左右される局面が続いています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.63 円)

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Source:BlackRockレター
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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