この記事の要点
- チャールズ・シュワブ、現物仮想通貨口座「Schwab Crypto」近日提供を発表
- BTC・ETH直接売買が既存証券4,600万口座から可能に
- 12兆ドル規模の証券大手による現物参入は業界初の規模
- NY州・ルイジアナ州は対象外、手数料など詳細は正式開始まで未公開
シュワブ、顧客向け仮想通貨口座提供へ
米大手証券ブローカーCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)は、4,600万口座の既存顧客を対象に、仮想通貨口座「Schwab Crypto」を近日提供すると発表しました。
同サービスはチャールズ・シュワブ・プレミア・バンク(Charles Schwab Premier Bank, SSB)が提供する仮想通貨取引口座で、まずビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の2銘柄から開始される予定です。
12兆ドル(約1,915兆円)の顧客資産を抱える同社の参入により、ETF(上場投資信託)や投資信託を介さずに、現物仮想通貨を保有できる選択肢が大手ブローカーでも利用可能となります。
ただし、サービスはニューヨーク州とルイジアナ州では提供されない予定で、手数料体系や資産保管方式などの詳細は正式開始のタイミングまで開示が持ち越されています。
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「直接保有の需要は根強い」CEOが強調
チャールズ・シュワブCEOのリック・ウルスター氏は2026年1月、2025年通期決算発表の場で、仮想通貨への熱狂が落ち着いた局面でも多くの顧客が直接保有を希望し続けていると公言していました。
ウルスター氏は「顧客はまだ仮想通貨に関心を持っている。ETFのような代替投資手段が手元にあっても、直接保有を求める声は根強い」と述べており、今回のサービス拡充の判断材料として顧客需要を明確に位置づけています。
同氏はさらに「ブロックチェーンとトークン化がどう発展するかはまだ見えていない」とも語っており、まずビットコインとイーサリアムの2銘柄に絞ったローンチ構成にはそうした慎重姿勢が示されています。
提携・買収・M&A検討で固めた基盤
チャールズ・シュワブはこれ以前にも仮想通貨関連の事業展開を複数進めており、クリプト・ドットコム(Crypto.com)との提携によるトランプ・メディア(Trump Media)ETFの組成計画に参画し、最大2億5,000万ドル(約400億円)相当の資産カストディを引き受ける方針を示していました。
2026年3月には、プライベート市場取引所Forge(フォージ)の買収を完了しており、IPO前の株式へのアクセス拡大を目的としたものです。
ウルスター氏は2025年12月のReuters NEXTカンファレンスで仮想通貨関連のM&Aについても「適切な機会と価格が揃えば検討する」と述べており、今回の口座サービス開始はそうした中長期戦略の中で最初に具体化したプロダクトとなります。
ETFから現物へ、一元管理の時代に
Schwab Cryptoが正式に稼働すれば、4,600万口座の既存顧客は新規の口座開設や取引所への資産移動を経ずに、使い慣れた証券口座の延長として仮想通貨を売買できる環境が整います。
ETFを通じた仮想通貨への間接投資がすでに定着している米国市場において、大手ブローカーが現物取引を自社プラットフォーム上に組み込む動きは、資産管理の一元化を求める個人・機関投資家双方に訴求するとみられています。
一方で、当初の提供銘柄がビットコインとイーサリアムの2種類に限定され、ニューヨーク州とルイジアナ州では非提供となることから、規制対応の難易度が銘柄拡充と地域展開の両面でサービス成長の制約になる可能性もあります。
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証券大手の現物参入、業界への波及効果
米国では規制整備と機関需要の高まりを背景に、チャールズ・シュワブを含む証券ブローカーや銀行が仮想通貨サービスの直接提供へ踏み出す事例が相次いでいます。
2024年以降の現物ビットコインETF解禁によって間接投資の入口は整備されてきましたが、大手ブローカーが現物口座を自社内に取り込む動きは、証券口座を起点にした資産管理の一元化をさらに加速させるとみられています。
Schwab Cryptoが2026年前半のいつ正式に稼働するか、銘柄拡充や提供地域の拡大がどのスケジュールで進むか、そして他の大手ブローカーが追随するかどうか——今後の業界動向が注目されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.66 円)
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Source:Charles Schwab公式サイト
サムネイル:AIによる生成画像





























