この記事の要点
- CoinShares調査:英国の金融顧問52%が顧客の仮想通貨保有を把握できず
- 可視性格差の主因は企業方針、支援・制限企業間で8倍超の差
英国で広がる「見えない仮想通貨」の実態
デジタル資産運用大手CoinShares(コインシェアーズ)が2026年6月25日に公表した最新レポートによると、英国を拠点とする金融アドバイザーの52%が、担当クライアントの仮想通貨保有の大半を把握できていないと回答しており、「見えない資産」が広がっている実態が明らかになりました。
調査対象は欧州の富裕層向け資産管理(ウェルスマネジメント)専門家261名で、こうした背景には企業ポリシーによる情報共有の制約があるとされており、アドバイザーが顧客の仮想通貨エクスポージャーを十分に把握できないケースが広がっています。
アドバイザーが保有状況を正確に把握できないことで、適切なリスク管理や資産配分が難しくなるなど、資産管理業務にも影響が及んでいます。
英国では金融規制を担うFCA(金融行動監視機構)が、成人の約8%が仮想通貨を保有していると報告しており、こうした保有者に対してアドバイザーの管理体制が追いついていない実態も浮かび上がっています。
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仮想通貨の可視性格差、企業方針が8倍差を生む
支援企業と制限企業で提案率に48倍の差
CoinSharesの調査によると、仮想通貨投資を明確に支援する企業ではアドバイザーの48%が顧客へ積極的に提案している一方、投資を制限する企業ではその割合が1%にとどまり、企業方針がアドバイザーの行動に大きな差を生んでいることが示されています。
また、顧客の仮想通貨保有を把握できていない割合についても、支援企業では4%にとどまる一方、制限企業では34%に達しており、保有状況の可視性に8倍以上の差が生じています。
一方で、アドバイザーの関与意欲や顧客側の需要には大きな差が見られず、知識不足ではなく企業方針が行動を左右していると結論付けています。
CEO「問題は顧客ではなく企業方針」
こうした結果について、CoinSharesのCEOであるジャン=マリー・モニェッティ氏は「顧客の資金がすでに仮想通貨へ配分されているにもかかわらず、それを管理する側が把握できていない状況にある」と指摘しています。
同氏は、その原因の多くが顧客による情報開示の拒否ではなく企業の方針にあるとしたうえで、課題はアドバイザーの知識や顧客の需要ではなく、組織としての運用ルールにあると説明しました。
そのうえで同氏は「見えない資産には、配分もリスク管理も信頼の構築もできない」と述べ、適切な助言の前提として資産の可視化が必要だと強調しています。
規制整備とETP拡大がアドバイザー参入を後押し
同調査では、アドバイザーが仮想通貨を顧客へ提案する際の主な信頼要因として、規制当局による主要資産としての承認(45%)とETP(上場取引型商品)へのアクセス(43%)が上位を占め、教育ツールは9%にとどまりました。
報告書は、制度面での環境整備は着実に進んでいると指摘しており、EUではMiCA(暗号資産市場規則)の移行期間が2026年7月1日に終了し、加盟国全体で統一ルールの運用が始まります。
英国でもFCAが認可された投資ファンドに仮想通貨ETPを最大10%まで組み入れる案を示しており、規制当局による受け入れ体制の整備が進められています。
また、アドバイザーが発行体を選定する際は実績や運用歴を重視するとの回答が73%を占めており、報告書は、実績ある発行体の増加や制度整備が進めば、専門家による資産管理への参加が広がる可能性があるとしています。
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制度整備だけでは埋まらない可視化の溝
MiCAの本格運用や英国で進む制度整備は仮想通貨を資産運用へ組み込みやすくする環境づくりにつながる一方で、CoinSharesは資産を見えなくしている最大の要因は規制ではなく企業の社内方針にあると指摘しています。
企業が社内ルールを見直せば、英国の投資家は規制下のETPを通じて仮想通貨を保有し、他の金融資産と同様にアドバイザーによる一体的な資産管理を受けやすくなります。
EUでMiCAの移行期間終了が迫るなか、報告書は企業の社内方針が変わらなければ、資産の可視化は進まないとしています。
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Source:CoinShares
サムネイル:AIによる生成画像




























