この記事の要点
- HSBC・スタチャンがSWIFT台帳で初のトークン化預金決済
- シティや三菱UFJなど6大陸17行が実取引パイロットへ
SWIFT台帳で初のトークン化預金取引
英スタンダードチャータードと英銀HSBCは2026年8月19日、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)が運用するブロックチェーン基盤の台帳上で、トークン化預金による初の銀行間クロスボーダー取引を実行したと発表しました。
今回の取引では、規制対象の銀行が発行するデジタルマネーを異なる金融機関の間で相互運用し、既存の金融システムの健全性や規制上の監督を維持したまま取引できることが示されています。
SWIFTは2026年7月9日にブロックチェーン基盤の台帳を初期利用可能な段階へ進めると発表しており、今回の取引によって銀行間のトークン化決済が実取引の段階へ移りました。
両行は、こうした仕組みが普及すれば企業が週末や時差に左右されず海外送金や資金移動を行いやすくなり、24時間動く世界経済に対応した国際決済につながるとしています。
SWIFT共有元帳が初期利用段階に
17行参加でトークン化預金の相互運用検証
SWIFT台帳で債務を照合する決済構造
発表によれば、今回の取引ではHSBCとスタンダードチャータードがSWIFTの台帳を介して決済メッセージを交換し、それぞれのトークン化預金基盤を接続しました。
取引によって生じた両行の債務は、HSBCの「トークン化預金サービス(TDS)」とスタンダードチャータードのトークン化預金基盤に、それぞれトークン化預金債務として記録されています。
両行の基盤に記録された債務はSWIFTの台帳上で照合・相殺(ネッティング)され、その結果を既存の決済システムへ引き継ぐことで最終的な決済が行われる仕組みとなっています。
6大陸17行がSWIFTパイロットに参画
こうした銀行間の相互運用を広げるため、SWIFTはシティやBNPパリバ、UBS、ウェルズ・ファーゴ、BNY、DBS、三菱UFJ銀行など、6大陸の17行とパイロットを進めています。
参加行は、トークン化預金を使った24時間対応の決済や流動性管理の効率化を目指し、SWIFTの台帳上で実取引を行うための準備を進めてきました。
SWIFTのティエリー・シロジ最高事業責任者は、17行によるパイロットを通じて、既存金融が培ってきた信頼と安定性をデジタルマネーにも取り入れていく方針を示しています。
将来的には、あらかじめ設定した条件に応じて資金を動かすプログラマブルマネーや、AIエージェントなどが取引を担うエージェント型商取引への活用も想定されています。
両行がトークン化預金を戦略の柱に
今回の取引で使われたHSBCのTDSは、すでに香港・シンガポール・ルクセンブルク・英国・米国・UAEの6市場で稼働しており、人民元建て(CNH)や米ドルなど7種類の通貨に対応しています。
一方のスタンダードチャータードも、トークン化預金をデジタル資産の保管やトークン化、ステーブルコイン決済などを手がける同行のデジタル資産・決済事業に組み込んでいます。
同行で新興決済・トランザクションサービス・デジタル資産責任者を務めるマーク・ウィリス氏は「トークン化預金を自社のデジタル資産戦略における主要な柱に位置付けている」と説明しました。
同氏は、機関投資家が資金移動や運用資本の効率化を求めるなか、相互運用可能なトークン化預金が財務やリアルタイムの流動性管理を支える役割を強めていくとの見方を示しています。
欧州銀行との決済実証を完了
国内外で実証が並走、トークン化決済の拡大へ
SWIFTはトークン化預金を使った今回の取引に至るまで、2026年1月に欧州の主要銀行と連携したトークン化債券の決済実証を完了するなど、ブロックチェーン基盤の台帳を既存の金融インフラと接続する検証を重ねてきました。
トークン化預金を銀行間決済に活用する検証は日本でも進んでおり、金融庁が2026年4月にトークン化預金を使った銀行間決済の実証実験への支援を発表したほか、三菱UFJ銀行もSWIFTが進める17行のパイロットに参加しています。
SWIFTでは参加17行による実取引パイロットが予定されており、各行が発行するトークン化預金と既存の国際決済インフラを接続する検証が進められます。
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Source:スタンダードチャータード公式発表
サムネイル:AIによる生成画像



























