トークン化マネー導入「88%」企業の資金管理に本格採用の動き|DBS調査

トークン化マネー導入「88%」企業の資金管理に本格採用の動き|DBS調査

この記事の要点

  • 企業88%がトークン化マネー導入段階|DBS調査
  • ステーブルコイン63%で最多、越境決済効率化へ

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目次

88%の企業がトークン化マネー導入段階に

シンガポール最大手のDBS銀行は2026年10月28日、11カ国・地域の年間売上高5億ドル超の企業に所属する財務幹部422名を対象に、EYと共同で実施したデジタル決済・財務戦略に関する調査結果を公表しました。

調査では、回答企業の88%がステーブルコインやトークン化預金などの「トークン化マネー」を本格運用・限定運用、または実証段階で導入していることが明らかになりました。

このうち本格運用に至った企業は24%で、限定運用が43%、パイロット・概念実証(PoC)が21%を占めており、多くの企業が実用化に向けて段階的に取り組んでいることが示されています。

DBSは、国際貿易の再編や為替変動によって企業の資金管理が複雑化するなか、トークン化マネーが越境決済の効率化や流動性管理の改善を支える新たな手段として採用され始めていると分析しています。

63%がステーブルコイン導入、決済効率化へ

ステーブルコイン首位、預金・CBDCも普及

同レポートによると、利用中または導入を計画しているトークン化金融商品では、ステーブルコインが63%で最も高い割合を占めました。

トークン化預金も53%、トークン化マネーマーケットファンドが52%、CBDC(中央銀行デジタル通貨)が51%に達しており、企業の採用対象がステーブルコイン以外にも及んでいることが示されています。

こうした金融商品の採用目的としては、市場変動時の戦略的な俊敏性向上が55%で最多となり、業務の複雑性への対応が53%、流動性管理の最適化と将来の財務運営モデル構築が51%で続いています。

期待される効果では、取引の追跡可能性・監査対応が72%、リアルタイム越境決済が71%に達しており、すでに改善を実感している企業に加え、今後1〜2年以内に効果を見込む企業が多数を占めました。

東南アジアが拡大先1位、決済通貨も多様化

企業が資金管理の柔軟性を重視する傾向は、国際貿易の再編に伴う進出市場の見直しにも表れています。

同レポートによると、回答者の77%が貿易ルートの変化に合わせた資金管理業務の見直しを優先事項とし、76%が新興市場への事業拡大圧力が高まっていると回答しました。

新たな事業拡大先では東南アジアが65%で最も多く、オーストラリア・ニュージーランドが50%、インドが45%、中東が42%で続いています。

決済通貨の選択にも変化がみられ、回答者の78%が複数通貨へのエクスポージャーを構築しており、人民元(RMB)の貿易決済利用率は台湾・香港でそれぞれ81%、韓国で80%、インドネシアで68%、シンガポールで67%に達しました。

「信頼・能力・成熟度」3分野の導入課題

企業が決済手段や利用通貨の選択肢を広げる一方、トークン化マネーの本格運用には規制の不確実性やデータセキュリティなどの課題が残されています。

DBSは同調査を通じて、導入障壁を「信頼とリスク」「能力」「価値と成熟度」の3分野に分類し、社内専門人材の不足や既存システムとの統合、投資対効果(ROI)の不透明さなどを課題に挙げました。

こうした課題への対処について、回答者の64%が銀行にトークン化マネーのエコシステムへの単一の統合窓口となることを求め、63%がパイロット・PoCやシステム統合への支援を必要としていると答えています。

DBSグローバル・トランザクション・サービス部門グループヘッドのリム・スーン・チョン氏は、複数の決済ネットワークが並行して発展することで企業の業務やコンプライアンス対応が複雑化する可能性を指摘し、ネットワーク間の価値移転を統合する信頼できる金融機関の役割を強調しました。

法人採用と銀行の実証成果、商用拡大に課題も

法人によるデジタル通貨の採用をめぐっては、EY-Parthenonが2025年6月に実施した別の調査でも、ステーブルコイン利用組織の41%が10%以上のコスト削減を報告する一方、規制の不確実性や会計・税務上の取り扱いが課題に挙げられています。

銀行による決済基盤の開発も進められており、DBSと米シティバンクは2026年9月、トークン化預金を利用したシンガポールと米国間の米ドル建て越境決済を実施しました。

この取引ではSwiftのデジタル台帳を通じて週末に数分間で送金を完了しており、銀行営業時間外でも国際決済を処理できることが実証されています。

銀行間での実際の決済が成立する一方、今回のDBS調査では企業側の採用が限定運用や実証に集中しており、商用利用のさらなる拡大には規制対応や既存システムとの統合が引き続き課題として残されています。

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DBS公式発表 / レポート
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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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