この記事の要点
- CFTC委員長が仮想通貨取引所の連邦登録を再提唱
- バイナンス63億ドル流出で取引所規制論が加速
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バイナンス事件で連邦登録を再提唱
CFTC(米商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は2026年10月30日、CNBCの番組「Squawk on the Street」に出演し、仮想通貨取引所がCFTCに任意で登録できる連邦規制の枠組みを改めて提唱しました。
発言の背景には、10月29日にバイナンスで約63億ドル相当の資産が流出した大規模なハッキング被害があり、セリグ委員長はこの事件がCFTCによる規制構想の必要性を裏付けたと指摘しています。
同氏は、海外取引所には米国の規制市場が備える保護措置が欠けているとの認識を示しており、仮想通貨(暗号資産)市場にも既存の金融市場と同水準の保護が必要だと訴えました。
提唱する枠組みでは、連邦登録を選択した仮想通貨取引所に、米国のデリバティブ市場で長年採用されてきたサイバーセキュリティ基準や顧客保護規則を適用する構想となっています。
ただし、登録はあくまで任意であり、すべての取引所への義務化には議会による立法措置が必要となるため、従来の州ライセンスによる運営も引き続き認められる見通しです。
仮想通貨史上最大の被害規模に
仮想通貨取引所監督を再構築、CTX・CAM規制構想
新区分「仮想通貨市場」で取引所登録へ
CFTCは2026年10月5日、仮想通貨市場に適した連邦規制の策定に向けて、「Regulation CTX」と「Regulation CAM」に関する規則制定事前通知(ANPRM)を公表しました。
セリグ委員長は制度構想の公表にあたり、FTXの破綻で約80億ドルの顧客資金が不正流用された事件を引き合いに出し、被害を未然に防ぐ規制の必要性を訴えました。
Regulation CTXでは、証拠金・レバレッジ・融資を伴う個人向け仮想通貨取引について、商品取引所法第2条(c)(2)(D)に基づく規制の適用範囲を明確化する方針が示されています。
これに対応するRegulation CAMでは、対象取引を扱う事業者がCFTCの監督下で運営できるよう、既存の指定契約市場(DCM)登録に「仮想通貨市場」という新たな下位区分を設けることが検討されています。
連邦登録で顧客保護をデリバティブ並みに
Regulation CAMで想定される登録制度では、対象となる取引所に対し、既存のデリバティブ市場に準じた顧客資産の保護やリスク管理、サイバーセキュリティに関する基準を適用する構想となっています。
CFTCは、こうした監督基準を仮想通貨市場の取引形態に合わせて調整する方針で、連邦登録を選択した事業者は統一的な規制のもとで対象取引を提供できると想定しています。
ただし、通常の現物取引のみを扱う取引所まで連邦登録を義務づけるものではなく、事業者が従来の州ライセンスに基づく運営を続ける選択肢も残されています。
30億ドル凍結済み、CFTC追跡支援へ
取引所の被害防止に向けた制度が検討されるなか、バイナンスは10月30日の公式発表で、約63億ドル相当の流出資産のうち約30億ドル相当を、法執行機関や資産発行企業などとの連携により凍結したと報告しました。
こうした資金追跡について、セリグ委員長はCNBCの番組で、ブロックチェーン上の取引記録が公開されているため、銀行強盗よりも盗まれた資金を追跡しやすいとの見方を示しました。
同氏は流出資金の追跡に「かなりの見込みがある」と述べ、CFTCとして法執行機関を支援する方針を明らかにしています。
仮想通貨取引所に連邦監督の選択肢
クラリティ法案が停滞、CFTCは独自前進
仮想通貨市場の包括的な規制を定める「CLARITY(クラリティ)法案」は、9月15日の米上院で審議入りに向けた討論終結動議が賛成49・反対50で否決され、必要な60票を確保できずに審議が停滞しています。
その後、ビル・ヘイガティ米上院議員は10月29日に公開されたインタビューで、同法案について11月3日の中間選挙後に立法協議を再開できるとの見通しを示し、法案の主要部分から段階的に成立を目指す考えを明らかにしました。
議会での協議再開が見込まれる一方、CFTCはRegulation CTXとCAMについて2026年12月14日まで市場参加者から意見を募集しており、セリグ委員長が改めて提唱した連邦登録制度は、正式な規則案の策定に向けた検討が続いています。
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Source:CNBC
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用


























