米国の仮想通貨(Cryptocurrency)アナリストであるThomas Lee(トーマス・リー)氏は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)がイーサリアム(ETH)の先物市場を開始することによって、ビットコイン(BTC)の価格は回復し、ETH価格はさらに下落すると予想しています。
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ETH価格はさらに下落する?
シカゴ・オプション取引所(CBOE)は、仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)の市場に基づいた「イーサリアム先物市場」を2018年内に公開するといわれています。
一部では「イーサリアム先物取引の開始によって”ETH価格”も回復するのでは?」と期待する声もみられていますが、回復するのはイーサリアムではないかもしれません。
米国の独立系調査会社「Fundstrat Global Advisors(ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ)」の共同設立者であるThomas Lee(トーマス・リー)氏は、ビジネスインサイダーからの取材に対して、「イーサリアム先物取引が開始されることによってETHの価格はさらに下落する可能性がある」との予想を語りました。
同氏はこの予想の具体的な根拠として、昨年12月にシカゴ・オプション取引所(CBOE)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコインの先物取引を開始した後に、BTC価格が大きく下落していることを挙げています。
昨年12月にビットコインの先物取引が開始された後、BTC価格は一時的に約220万円という過去最高値を記録しました。しかしその後は下落が続いており、今年の6月には70万円を下回っています。
このような動きの原因について『先物市場での”空売り”が影響している』と考えている投資家も多く、現在の長期的な下落相場は『先物市場での売り』が原因となって形成されたという見方もあります。
先物取引が開始されたことによって、仮想通貨に対して否定的で「現物を持ちたくない」と考えている投資家もビットコインの『売り(ショート)ポジション』を持つことができるようになりました。
保有していない仮想通貨の市場に”売り”から入ることを可能にする先物取引は、対象となる仮想通貨の価格を下落させる要因の一つにもなり得ます。
なぜ「BTC価格」が回復するのか
トーマス・リー氏は今回の「ETH先物」の公開によって、ビットコイン先物の時と同じような状況になる可能性があることを語っています。しかしリー氏は、ETH先物でもショートすることができるようになることによって、BTC先物のショートが減少する可能性があるとも述べています。
同氏は、『BTC先物の売り』から『ETH先物の売り』に移行する可能性があることから、ビットコインの価格は回復し、その一方でイーサリアムの価格はさらに下がることになると予想しています。リー氏は、CNBCの番組に出演した際に「ビットコインの価格は、2018年末までに2万ドル(約220万円)以上になる」との予想を語っています。
先日米国商品先物取引委員会(CFTC)が公開したデータでは、実際にビットコインの『売りポジション』の数が減少してきていることも示されています。ビットコインの『売り』を持つ投資家がイーサリアムの『売り』へと移行するとは言い切れませんが、少なくともビットコイン価格の回復を妨げる要因が減少する可能性はあると考えられるでしょう。
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ビットコインの価格はここ最近で上昇を続けており、2018年9月3日の時点では1BTC=80万円前後で取引されています。
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