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ブロックチェーン投票システムを用いた「米中間選挙」結果発表|ウェストバージニア州


アメリカ・ウェストバージニア州で先週行われた中間選挙では、ブロックチェーン技術を用いた投票アプリが初めて使用されました。報道によると、今回の選挙では30カ国に駐在する144人のウェストバージニア州有権者が、同アプリを利用したと伝えられています。

こちらから読む:日本やケニアでも試験導入「ブロックチェーン」を用いた電子投票システム

ブロックチェーン投票システムとは

アメリカ・ウェストバージニア州の中間選挙で利用された「ブロックチェーン投票アプリ」は、ボストンに拠点を置くアプリ開発企業「Voatz(ボーツ)」によって開発されました。

この新しい投票方法は、選挙投票に透明性をもたらすことや、国外で勤務する軍人の人々が投票に参加できるようにすることなどを目的としており、顔認証技術などを用いて本人確認を徹底することによって不正行為などへの対処も取られています。

2018年3月から導入に向けたテストが開始されたこの投票システムは、5月時点では問題なく投票を完了することができたことが報告されていましたが、安全性などの面から反対する意見も多く出ており、以前から注目が集まっていました。

軍事関係者など「144人」が利用

報道によると、今回の選挙では30カ国に駐在する144人のウェストバージニア州有権者が、ブロックチェーン投票アプリを利用して投票を行なったと説明されており、利用者の中には、
・軍事関係者
・平和部隊のボランティアの人々
・海外の米国市民
などが含まれていたと伝えられています。

予備選挙の時点ではわずか13人しか利用する人がいなかったとも報告されているため、前回に比べると利用者の数はかなり増加したことがわかります。

問題点への懸念続く

今回の選挙の結果についてMac Warner(マック・ワーナー)国務長官は「全体的にみて総選挙の運営と管理に非常に満足している」と述べています。しかしながら同氏を含めた複数の関係者は、これらの投票方法で選挙投票を完全に置き換えようとは考えていません。

ワシントンの研究機関で選挙のセキュリティなどを研究している、Maurice Turner(モーリス・ターナー)氏は、今回のシステムはApple(アップル)やその他の専門家が作成した顔認証技術を使用しているため、検証方法は妥当と思われるものの、紙を用いた投票方法の方がはるかに安全性が高いと語っています。

また同氏は、人間が写真IDとユーザーが投稿したビデオを分析しているとはいえ、アップロードする前に写真IDをデジタル操作することができるため、誰かが偽装しようとしているのを防ぐことはできないと説明しており、『これは有権者を認証するものではなく、アプリを使っている人を認証しているだけ』だと指摘しています。

また他のセキュリティ専門家は、単にインターネットに接続されたモバイルデバイスを導入するだけでも、ハッキングや傍受のリスクが上昇すると語っています。実際に選挙投票で使用されはしたものの、未だにセキュリティ面などへの懸念の声は多く、問題点も多いため、現時点では投票方法を完全にブロックチェーンベースに置き換えることは考えられていないようです。

選挙結果は民主党「ジョー・マンチン氏」が勝利

今回の中間選挙は、
・民主党のJoe Manchin(ジョー・マンチン)上院議員が288,808票
・共和党のPatrick Morrisey(パトリック・モリッシー)氏が269,872票
・その他24,231票
という結果となっており、保守派としても知られるマンチン氏が勝利しています。

2020年の大統領選挙には、仮想通貨業界の「ダイ・ハード」とも言われるJohn McAfee(ジョン・マカフィー)氏も出馬することを明かしています。最近ではブロックチェーン技術や仮想通貨を支持する政治家も増えてきているため、今後の選挙や政治に関する話題にも注目です。