イーサリアム(Ethereum/ETH)の共同設立者でありながらブロックチェーン企業「ConsenSys(コンセンシス)」の創設者としても知られるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は、2018年12月1日に投稿したツイートの中で現在の仮想通貨時価総額はコミュニティの活動を反映したものではないと語り、”Blockchain”は市場での評価よりも優れたものであることを説明しました。同氏は分散型ネットワークは現在も世界中で急速に成長していると語っています。
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拡大する「分散型ネットワーク」
イーサリアム(Ethereum/ETH)の共同設立者であるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は、今月1日に自身のTwitter上で以下のようなツイートを投稿しました。
ブロックチェーンはマーケット以上のものであり、ムーブメントそのものです。
市場で表される時価総額は活動を反映したものではありません。分散型ネットワークは拡大しています。
・Infuraは毎日100億ものAPIリクエスト
・Truffleは100万ダウンロード
・MetaMaskも100万ダウンロード
・イーサリアムノードの数は12,000
・イーサリアムアドレスの数は480万
・LinkedInのブロックチェーン求人は3倍に成長しています。
ルービン氏が挙げている前者3つのアプリケーションは、イーサリアムのインフラを支える3つの主要製品として知られており、コミュニティの間では「TIM」とも呼ばれています。
Truffle(トリュフ)
Truffle(トリュフ)は、イーサリアムの技術を使った分散型アプリケーション(DApps)を作成するためのフレームワークとして広く愛用されています。
DAppsを作成する際には、イーサリアムで使用されているプログラミング言語である「Solidity(ソリディティ)」でコントラクトを作成し、その他の言語でも使いやすいものにするためにコンパイルしたり、イーサリアムネットワークにデプロイしたりなど、様々な作業を行う必要がありますが、「Truffle」を使用すればこれらの作業をシンプルな作業で完了することができます。
ルービン氏が立ち上げた「ConsenSys」が提供しているこのフレームワークは高い信頼を獲得しており、すでに非常に多くの企業が活用してDAppsの開発に取り組んでいます。
Truffleに関する詳しい情報は以下の公式サイトからどうぞ
>Truffleの公式サイトはこちら
INFURA(インフラ)
INFURA(インフラ)は、イーサリアムのノードをホスティングしてくれるサービスです。
イーサリアム上でアカウントを作成したり、送金やマイニング、サービスの公開を行うためにはイーサリアムノードを立ち上げて、イーサリアムネットワークに参加する必要がありますが、自分のPC上にノードを立ち上げた場合にはブロックチェーン上に記録されている何百GBものデータがダウンロードされることになるため、同期するだけでも数日かかることになり、時間も容量も無駄になってしまいます。
INFURAが提供しているノードはすでに同期作業が完了しているため、これらの無駄を省くことができます。INFURAを使用するユーザーは、通常どおり自分でコントラクトを書いて、DAppsやスマートコントラクトを公開する際に「INFURA」を経由して公開することができます。
INFURAに関する詳しい情報は以下の公式サイトからどうぞ
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MetaMask(メタマスク)
MetaMask(メタマスク)は、イーサリアム(ETH)やETHのプラットフォームを使用して発行されているトークンを一括管理することができるホットウォレットです。
イーサリアムを保有している非常に多くのユーザーに使用されており、Google Chromeなどのウェブブラウザの拡張機能としてインストールすることで使用する事ができます。分散型取引所(DEX)やDAppsを利用する際に必須のウォレットでもあり、一度インストールしておけば様々な場面で簡単にイーサリアムを使用した取引を行うことができます。
MetaMaskの詳しい情報は以下の公式サイトからどうぞ
>MetaMaskの公式サイトはこちら
ジョセフ・ルービン氏はこれらのサービスの利用者数が指数関数的に成長していることを説明しています。これらのサービスのユーザー数が増加していることは単にアプリの人気が高まっていることを示すものではありません。特に「Truffle」や「INFURA」は主に開発者が使用するものであるため、そのユーザー数が増加しているということは、今後さらにイーサリアムを活用したアプリケーションの開発が進むことになることを意味しています。
政府機関の「イーサリアム」活用事例
イーサリアムの価格だけを見ると2018年1月からは下落が続いていますが、その裏では確実に技術開発が進められてきており、イーサリアム全体のエコシステムはより強固なものへと成長を続けています。また、確実に基盤を整えてきているイーサリアムの技術は企業だけでなく国家レベルでも採用され始めており、すでに複数の政府機関もこれらの技術を活用しています。
チリ:国家エネルギー委員会
チリの国家エネルギー委員会は、今年初めにイーサリアムの技術を活用していくことを明らかにしています。同委員会は、セキュリティやトレーサビリティを向上させ、情報の信頼性をさらに高めていくためにイーサリアムを選択したと説明しています。
同国では、エネルギーデータを追跡するためにイーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用しており、データの提供やハッキング行為などへの対処を援助したことに対して感謝の意を表明しています。
カナダ:国立研究評議会
カナダの国立研究評議会(National Research Council/NRC)は、2018年8月20日にイーサリアム上にブロックチェーン・エクスプローラー(Blockchain Explorer)を構築したことを発表しました。
「Catena(カテナ)」と呼ばれるこのブロックチェーン・エクスプローラーは、ネットワーク上に保存されている「公開された助成金」と「投稿データ」をイーサリアムブロックチェーン上で検索することができると説明されています。
Catena発表当時の記事はこちら
ルービン氏は、ブロックチェーン技術は個人だけでなく、国全体に多くの利益をもたらすものであると説明しており、すでに現実世界の問題を数多く解決していると説明しています。現在イーサリアムの時価総額は約1兆3,000億円となっていますが、この金額は現在進められている数多くのプロジェクトが世の中に広く浸透していくにつれてより大きく成長していく可能性を秘めています。
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イーサリアム(Ethereum/ETH)の価格|2018年12月4日
イーサリアム(Ethereum/ETH)のここ最近の最安値は先月25日の約11,000円となっており、2018年12月4日時点の価格は「1ETH=12,000円」となっています。
イーサリアムの現在価格が実際の価値に伴っていないと言った意見は複数見られており、『イーサリアムは過小評価されている』とも言われています。すでに数多くの企業に採用されており、国家プロジェクトでも活用されているイーサリアムの現在価格は非常に安値であるとも考えられます。イーサリアムの過去最高値は今年1月に記録した「1ETH=16万円」となっています。
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