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ビットコイン「ショート」に中国人マイナーも参加|下落相場でのリスクヘッジ


仮想通貨市場で続く価格下落によって、中国人マイナーの手法に変化が見られていることが報告されています。これまではマイニングで獲得した暗号通貨をホールド(保持)し続けていることで利益を得ることができたものの、現在の市場ではそれが通用しないため人々はリスクヘッジとして”空売り(ショート)“していると伝えられています。

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次世代マイナーは「ホールド&ショート」

仮想通貨のマイニング(採掘)を数年前から行なっている人々は、仮想通貨市場で下落が続く状況下でもマイニングで獲得した仮想通貨をホールド(保持)し続けることによって、その後に訪れる強気市場で大きな利益を生み出してきました。この手法は現在の仮想通貨市場では通用しないようです。

マイナー(採掘者)の人々は現在、より複雑な市場に直面しています。4年前に比べると現在の仮想通貨市場は状況が大きく異なっています。ビットコインの流通量は400万枚にのぼっており、取引所の数も圧倒的に増え、現在は世界中で非常に多くの人々が異なる仮想通貨取引所で仮想通貨取引を行なっています。

仮想通貨市場の拡大に伴い複雑化した現代を生きる”次世代のマイナー”たちは、単純にマイニングで獲得した仮想通貨をホールドしているだけではありません。彼らにとって”リスクヘッジ”を行うことは、現在の弱気市場で生き残るために必要不可欠なスキルの一つとなっています。

海外メディアである「8BTC」の報告によると、中国のマイナーであるJin Xin(ジン・シン)氏は、地元のマイナーの人々は”自己防衛手段”の一つとして「ビットコイン(BTC)の空売り」を行なっていると説明しています。

マイナーの新手法は「更なる価格下落」を招く

シン氏は中国でマイニングを行なっている一般的なマイナーの一人だと伝えられています。2017年10月にマイニングを開始したという同氏は、『最初の2ヶ月間で獲得した資金は、過去3年間にその他の事業を通じて得た利益の合計よりもはるかに多い』と述べています。

しかし大きな利益を得ることができたのは最初の2ヶ月間だけだったとのことで、その後続いている仮想通貨市場の下落はシン氏にも影響を及ぼしています。同氏はビットコインの空売りを行なっているだけでなく、マイナーとしての独自の戦略もとっています。

シン氏はマイニングをより効率的に行うために十分なスペックを持った「GPUマイナー」を購入して一定期間のマイニングを行なった後、利益が出せない価格までビットコイン価格が下落した後はマイニングマシンを停止すると説明しています。その後は使用していたマイニングマシンを解体して売却し、再び強気相場が訪れた際に新しいマシンを購入することによってマイニングを効率的に行なっています。

ビットコインの取引を支えている仮想通貨業界にとって重要かつ巨大な存在でもある「マイナー」の人々が実際にビットコインを”空売り”しているのであれば、今後もビットコイン価格はさらに下落が続くことになると予想されます。

シン氏自身も『多くの人が自己防衛のために”空売り”をしているが、これは仮想通貨の価格をさらに下げることにつながるだろう』と述べています。ここ最近では実際に”空売り”の数が増加していることが複数のメディアで報告されているため、場合によってはさらなる混乱を招く可能性もあると考えられます。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格|2018年12月8日

ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は度々反発してはいるものの、現在も徐々に価格を下げており、本日8日時点では一時的に37万円を下回っています。

この状態が続くのであれば、仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)のCEOであるArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏が以前述べていたように今後18ヶ月に渡って下落市場が続くことになる可能性も考えられます。

2018年11月8日〜12月8日 BTCのチャート(引用:coingecko.com)

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