匿名仮想通貨Darkcoinを使用して違法薬物を販売していた韓国の売人9人が逮捕されたことが地元のニュースメディア「Korea Herald」の報道で明らかになりました。ドラッグの取引はダークネットを使用して開設された”闇サイト”上で行われていましたが、現在このWebサイトは閉鎖されています。
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韓国初「違法薬物取引サイト」閉鎖
韓国当局は、匿名仮想通貨Darkcoin(ダークコイン)を使って複数の麻薬を販売していた罪で合計9人を逮捕しました。ソウル中央検察庁によると、これらの薬物はダークネットを使用して開設された”闇サイト”を通じて販売されていたとされています。逮捕された9人は20代〜30代であるとされており、逮捕者の中には「Shin」と呼ばれる闇サイトの運営者も含まれています。またウェブサイトの所有者は、自分自身で育てた「大麻(マリファナ)」や「ハシシ」の他、他国から密輸した「LSD」や「MDMA」などのドラッグも販売していたとされています。
ダークネット上で運営されているWebサイトでは、一般的に商品やサービスを購入するために複数の種類の仮想通貨が利用されており、ウェブサイトにアクセスするためには「Tor」と呼ばれる特別な通信システムが使用されます。これらの仮想通貨や通信システムは違法な商品を購入するユーザーの匿名性を強化する目的で使用されています。
報告されている内容によると、このウェブサイトには2018年3月〜11月の期間で「約636人」のメンバーが参加していると報告されており、今回の事例の他にも50回ほど薬物の売買が行われているとも伝えられています。ダークネットを経由した武器・薬物・違法コンテンツなどの販売は世界中で報告されており、以前から問題とされてきましたが。韓国でダークネット上の薬物取引サイトが閉鎖されたのは今回が初めてのことだと報告されています。
仮想通貨「重要問題」の一つ|違法取引
ダークネットの上に構築された違法サイトやそこで使用される仮想通貨は以前から問題視されています。ビットコイン(BTC)も当初はこれらの「闇サイト上で使用される通貨」として知られており、2013年にはFBIが当時有名であった「シルクロード」という闇サイトを閉鎖しています。このサイトを所有していたRoss Ulbricht(ロス・ロス・ウルブリヒト)氏は、仮釈放なしの終身刑を宣告されています。
仮想通貨に関する重要な問題点の一つとして挙げられる「闇サイト」での使用は、現在も複数報告されています。このような問題が今後も続くのであれば、闇サイト上で使用されている仮想通貨は「違法取引に利用されるお金」として認識される可能性があります。
仮想通貨によって実際の使用例は異なるものの、一般の認識としては「仮想通貨」としてひとくくりにされる場合も多いため、今後もこのような問題にどう対処していくかという点は重要な課題となるでしょう。