スイスの高級時計メーカーである「A.Favre&Fils(A.ファーブル&フィス)」は、仮想通貨ウォレットを搭載した腕時計を開発しています。この新製品はまだ未完成ではあるものの、技術的には生産可能な状態にあるとされており、2019年中には発売できると伝えられています。
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300年の歴史を持つ高級時計メーカー|A.Favre&Fils
A.Favre&Fils(A.ファーブル&フィス)は、1718年にスイスで創業された後に家族経営で300年間に渡って運営されてきた高級時計メーカーです。同社の時計は18kゴールドで製作されています。
同社は日本のクォーツ時計が世界的に大流行した1970年代に廃業寸前まで追い込まれた経験を持っており、今回の「仮想通貨ウォレット搭載腕時計」の開発も伝統的な時計メーカーが現代社会で生き延びて行くために必要であるとの考えから開発する決定に至ったと説明されています。
仮想通貨ユーザーの「役に立つ」腕時計を
2008年に10代目の社長に就任したLaurent Favre(ローラン・ファーブル)氏は、仮想通貨ウォレットを搭載した新製品「クリプト・メカニカル・ウォッチ(CMW)」について『単なる真似事の製品ではない』と説明しており、仮想通貨ウォレットとしての機能性にも力を注いでいることを強調しています。
厳しい時代を生き延びていくためには「新しい技術」と「伝統的な技術」を融合させることが最善の策であると考えている同氏は「Swissinfo」の取材に対して『電車の時代に蒸気機関車の未来を考えるようなものだった』と語り『デザインの向上につながる工夫を続けなければならない』と説明しています。
「仮想通貨」や「ブロックチェーン」をモチーフにした腕時計はこの数年間で増えてきていますが、ファーブル氏はこの腕時計について『単にお金をつぎ込んだものではなく、仮想通貨コミュニティに役立つものを提供したいという考えで開発した』と語っています。
コールド・ホットウォレットの切り替え可能
仮想通貨ウォレットを搭載した高級腕時計「クリプト・メカニカル・ウォッチ(CMW)」に関する詳細情報は明らかになっていないものの「Swissinfo」の報道によると、腕時計の盗難や損害を受けた時のための安全対策も取られており、腕時計を身につけている間は「支払い」や「取引」を行うことができるホットウォレットの状態になり、外している時はコールドウォレットとして機能すると伝えられています。
試作品は未完成ではあるものの、技術的には生産できる状態にあるとのことで、2019年の春〜夏には販売予定だと伝えられています。販売価格は10万~15万フラン(約1,100万~1,700万円)ほどを予定しており、仮想通貨で支払うこともできると伝えられています。
仮想通貨決済を行う際に利用する方法としては「スマートフォン」や「マイクロチップ」などが一般的に知られていますが、腕時計で決済を行うことができるようになればより手軽に支払いを行うことができるようになると考えられます。今後新たに発表される「クリプト・メカニカル・ウォッチ(CMW)」の詳細情報には期待が高まります。
「A.Favre&Fils」に関する詳しい情報は以下公式サイトをどうぞ
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