参議院議員であり経済評論家でもある藤巻健史氏は2019年3月23日に、金融庁から暗号資産関連法案などの提出法案の説明を受けた際に、仮想通貨やブロックチェーン技術の発展を「税金」などの問題で阻害することのないように「金融庁からも国税庁に要望を出すように」と依頼したことを報告しました。
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「ブロックチェーンの推進」望むのならば
「日本維新の会」の藤巻健史議員は、2019年3月23日に投稿したツイートで「仮想通貨やブロックチェーンを推進したいと考えているのであれば、金融庁からも国税庁に要望を出すべき」だと依頼したことを明かしました。同氏は経済産業省が頻繁に国税に対して依頼を出していることも合わせて、今回の依頼内容を次のように報告しています。
藤巻議員は以前から「仮想通貨にかけられている現在の税金制度は変更すべきだ」と訴え続けてきており、最大55%の税率がかかる「雑所得」ではなく、「譲渡所得」「源泉分離20%」にすべきだと提案しています。
仮想通貨の「税金」に関する議論
日本政府は今月15日に、仮想通貨に関する規制を強化し、投資家保護を図るために「資金決済法」と「金融商品取引法」の改正案を閣議決定しており、仮想通貨の呼称を「暗号資産」とすることや、証拠金取引(レバレッジ取引)を提供する仮想通貨交換業者に対して「金融商品取引法上での登録」を求めていく方針を明らかにしています。
このようなことに対して藤巻健史氏は「仮想通貨が”金融商品”として位置づけられるのであれば、その他の金融所得と同様に20%の源泉分離を考慮しても良いのではないか?」と主張しています。
しかし麻生太郎財務相は先日21日に、閣議決定された改正案では仮想通貨の呼称を「暗号資産」へと変更することなどは決定されているものの、これは「資金決済法や消費税法における仮想通貨の定義が変わるということではない」ということを説明しており、「“一般的に仮想通貨が雑所得に該当する”という現行の取り扱いを変更する必要はない」と語っています。
藤巻議員はこのような見解に対して「納得できない」との意見を語っており、「仮想通貨は雑所得である」と主張するのであれば、暗号資産が譲渡所得や一時所得でない理由を示す必要があると主張しています。
日本の仮想通貨に対する税金は、世界各国と比べても特に割高になっていることでも知られており、税制変更を求める声は多くあがっています。今のところそのような内容が変更される予定は発表されていないため、今後も議論は続けられていくことになるでしょう。