米国の連邦準備制度理事会(FRB)は2019年8月5日、連邦準備銀行が米国でより素早く支払いを行えるようにするために「FedNow(フェドナウ)」と呼ばれる”24時間リアルタイム決済サービス”を開発すると発表しました。
仮想通貨業界からはこの発表に対して”ビットコイン(Bitcoin/BTC)”の存在を強調するコメントが寄せられています。
24時間365日リアルタイム決済技術「FedNow」
連邦準備制度理事会(FRB)が発表した「FedNow(フェッドナウ)」は、全国のあらゆるコミュニティ、あらゆる規模の銀行が顧客に”24時間365日年中無休”でリアルタイム決済を提供するための手段になると伝えられています。しかし、初めのうちは25,000ドル(約265万円)までという上限があるとも伝えられています。
FRBはこのシステムが立ち上がることによって「個人や企業に経済的利益をもたらすことができる」と説明しています。現在は決済システムをより効果的なものにするために「新しいサービスをどのように設計するか」についてのコメントを求めており、2023年〜2024年頃には立ち上げられる予定だと伝えられています。
FRBはアメリカの中央銀行制度である「連邦準備制度」の最高意思決定機関であり、”ドル紙幣発行”の実権を握っている重要な機関でもあるため、今回の発表は世界的に大きな注目を集めていますが、仮想通貨業界からは「ビットコイン(BTC)」のような通貨がすでに存在していると指摘する声も出ています。
仮想通貨関係者「ビットコインは既に利用できる」と指摘
暗号資産管理会社「Morgan Creek Digital Assets(モルガンクリークデジタルアセット)」の共同設立者であるAnthony Pompliano(アンソニー・ポンプリアーノ)氏は、このニュースに対して『ビットコインはすでに利用可能だ』という短いツイートを投稿し、短時間で1,500件以上の”いいね”を獲得しています。
また、米国の資産運用会社「VanEck(ヴァンエック)」の子会社である「MV Index Solutions」のデジタル資産戦略ディレクターであるGabor Gurbacs(ガバー・ガーバックス)氏は次のようなツイートを投稿し、ビットコインの利点を考慮すべきだと語っています。
FRBがデジタル資産と決済の革新に対して、前向きで賢明な姿勢をとっていることは素晴らしいことです。私は、機能的で信頼性があるビットコインの利点を考慮することをお勧めします。
仮想通貨業界では「FRBがドル発行の権利を握っている」ということに反対している人物も多いため、今回の発表に対して批判的な意見も多々見られています。
しかし、分散型台帳技術や仮想通貨XRP(エックスアールピー)を活用した国際送金サービスを提供しているRipple(リップル)社のような企業は、FRBのプロジェクトに貢献する立場をとっており、2015年6月に連邦準備制度の「Faster Payments Task Force運営委員会」に選出されたことを発表しています。
“支払いを高速化する”という点に関しては、全ての企業・銀行・政府機関で意見が一致していますが、通貨発行の仕組みやその管理方法に関しては大きく意見が分かれているため、今後は「どのような支払いシステムが人々に選ばれていくか」にも注目しておく必要があると言えるでしょう。
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