カナダの規制当局である「オンタリオ州証券委員会(OSC)」は2020年7月19日に、同国の暗号資産取引所「Coinsquare(コインスクエア)」を告発しました。同取引所は約59万BTC相当のウォッシュトレード(仮想売買)を行い、取引量を水増ししていたと報告されています。
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「取引量水増しのためのアルゴリズム」導入した可能性
カナダの規制当局である「オンタリオ州証券委員会(OSC)」に発表によると、同国の暗号資産取引所「Coinsquare(コインスクエア)」は2018年7月17日〜2019年12月4日までの期間にかけて、取引所の取引量を水増しするために84万件のウォッシュトレード(仮想売買)を行なっていたとされています。
ウォッシュトレード(仮想売買)とは取引量を多く見せるために人為的に仮想取引を行う行為のことであり、「Coinsquare」は同社の総取引量の90%以上にあたる取引を偽装していたと報告されています。
Coinsquare(コインスクエア)は2014年に設立されたカナダ・トロントを拠点とする暗号資産取引所であり、24万人ほどのユーザーを抱えているとされていますが、オンタリオ州証券委員会は『登録を完了していない違法な取引所である』と説明しています。
オンタリオ州証券委員会(OSC)によると、この水増しは2018年3月にダイアモンドCEOが指示したものであり、2018年7月17日には取引量を水増しするためのアルゴリズムが導入されていたと報告されています。
OSCは「Coinsquare」の創設者であるVirgile Rostand(ヴァージル・ロスタンド)氏、CEOであるCole Diamond(コール・ダイアモンド)氏、最高コンプライアンス責任者であるFelix Mazer(フェリックス・マゼル)氏の3名を被告人として指名して2020年7月21日に公聴会を開始することを予定しています。
暗号資産取引所における「取引量の水増し」は数年前から業界全体で問題視されており、最近では暗号資産取引所の取引量データなどを公開している「CoinMarketCap」や「CoinGecko」などのサイトでも、取引所の信頼性を判断できるようにするための対策がとられています。
「CoinGecko」の共同設立者であるBobby Ong氏は昨年11月に『暗号資産取引所で水増し取引が悪化している』と報告しており、信頼できる取引所として「日本や米国の規制に基づいた取引所」を挙げています。