オントロジー(Ontology/ONT)は2020年9月24日に、ブロックチェーン技術によるイノベーションとアプリケーションを自動車金融やモビリティ業界にもたらすために、自動車大手「Daimler AG(ダイムラー)」の金融・モビリティサービスプロバイダーである「Daimler Mobility AG(ダイムラー・モビリティAG)」と提携したことを発表しました。
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「安全性の高いデジタル運転サービス」を提供
オントロジー(Ontology/ONT)が提携を結んだ「Daimler Mobility AG(ダイムラー・モビリティAG)」は、元々「Daimler Financial Services(ダイムラー・フィナンシャル・サービス)」と呼ばれていた自動車大手「Daimler AG(ダイムラー)」の金融・モビリティサービスプロバイダーです。
Ontologyは『Daimler Mobility AGとの提携を通じて、高性能テクノロジーを活用して運転体験を変革する』と述べており、『オントロジーのブロックチェーンソリューションによって、ドライバーは安全性の高いデジタル運転サービスを楽しむことができるようになる』と説明しています。
ブロックチェーンモビリティプラットフォーム「MoveX」
両社が協力して開発したプラットフォームとしては、自動車・モビリティ業界向けに開発された初めてのブロックチェーンモビリティプラットフォームである「MoveX」が挙げられています。
「MoveX」はオントロジーの分散型IDフレームワークである「ONT ID」を利用して、ユーザーのローミング・バンドル・共有を強化するだけでなく、主な採用障壁の1つであるプロバイダー間のサービス統合を促進すると説明されています。
車載パーソナライズ・マネジメントソリューション「Welcome Home」
今回の発表の中では「MoveX」のプラットフォーム上で初めて構築された自己主権型の車載パーソナライズ・マネジメントソリューション「Welcome Home(ウェルカム・ホーム)」も紹介されています。
「Welcome Home」は『データプライバシーを保護しながら、より個人に最適化された多様なサービスを利用したい』という利用者の希望に応えることができるソリューションとなっており、車内体験だけでなく、接続されたスマートデバイスにも適用することができると説明されています。
「デジタルデータの相互運用」が可能に
Daimler AG(ダイムラー)はこれまでにもブロックチェーン技術の活用に取り組んできていましたが、オントロジーの共同創設者であるAndy Ji氏は『今回の提携の注目すべき点は、MoveXとDaimler Mobilityの統合によって駐車違反切符や請求などのオフラインデータだけでなく、アクセストークンや運転履歴などといった様々なデジタルデータの相互運用が可能になることだ』と説明しています。
オントロジーとの提携は「Daimler Mobility」が世界中のドライバーにできる限り最高の体験を提供するために「ONT ID」などといった新技術の活用やイノベーションに取り組んでいることを示しています。当社の分散型IDソリューションは、ドライバーだけでなく自動車エコシステム全体のセキュリティ・検証・信頼できるデータ管理に焦点を当てた様々なメリットを提供できます。
「Daimler Mobility」がブロックチェーン基盤のソリューションを実装するためにこれまで実施してきた取り組みは、主に「バックエンド部門」と「サプライチェーンの効率改善」に重点が置かれていました。今回の提携の注目すべき点は「オントロジーのMoveX」と「Daimler Mobility」が統合されることによって、駐車違反切符や請求などのオフラインデータだけでなく、アクセストークンや運転履歴などといった様々なデジタルデータの相互運用が可能になることです。
「Daimler Mobility AG Blockchain Factory」の責任者であるHarry Behrens(ハリー・ベーレンス)氏は『Welcome Homeは、モビリティとソーシャルネットワーキングを組み合わせたものであり、オントロジー独自のDIDフレームワークと安全性の高いデータアクセスを使用することによって、使いやすさ・データ主権・プライバシーの面で最高水準を実現することができた』と語っています。