中国の蘇州市で中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」のテストが開始されることが複数の報道で明らかになりました。蘇州市で実施されるテストでは、これまでのテストでは実施されなかった「オフライン決済」や「Touch to Pay」の機能もテストされる予定だと伝えられています。
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深セン市に続き「蘇州市」でもテスト実施へ
中国では同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)にあたる「デジタル人民元」の開発・テストが進められており、今年10月には深セン市で「赤い封筒」と呼ばれる抽選に応募した約5万人に1,000万デジタル人民元(約1.5億円相当)が配布されたことなども報告されていましたが、今回の報道では新たに蘇州市でデジタル人民元のテストが実施されることが明らかになりました。
蘇州市で行われるテストは2020年12月12日に開始される予定となっており、このテストでも「デジタル人民元の無料配布」が行われると伝えられています。なお、すでに蘇州市のほとんどの商業関係者は「デジタル人民元」による支払いを処理するために必要となるQRコード付きアプリを導入したとも報じられています。
蘇州市は深セン市に続いて12月12日(11月11日のような買い物の日)にデジタル人民元の「赤い封筒」のテストを開始します。多くの加盟店がNFC QRコードアプリをインストールしています。オフライン決済や「Touch to Pay」の機能が利用できるようになったそうです。
「オフライン決済・Touch to Pay機能」もテスト
中国の仮想通貨メディア「8BTCnews」が報告しているように、蘇州市で実施されるテストでは深セン市では実施されなかった「オフライン決済」や「Touch to Pay」の機能もテストされる予定だと伝えられています。
オフライン決済機能は”デジタル人民元の大きな特徴の1つ”とされており、すでに広く普及している「AliPay(アリペイ)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」との差別化を図る上でも重要な機能となると報じられています。
深セン市で配布されたデジタル人民元は95%が実際に使用されたと報告されていたため、蘇州市で実施されるテストでも多くのデジタル人民元が使用され、実用化に向けた研究・開発がさらに加速することになると予想されます。