デジタル円の発行「数年かかる可能性が高い」元日本銀行局長

by BITTIMES

日本銀行の元決済機構局長である山岡 浩巳(やまおか ひろみ)氏が、日本の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル円」について『発行できるようになるまでに数年かかる可能性が高い』と語ったことが「ロイター」の報道で明らかになりました。同氏はその理由について『民間銀行預金からの巨額流出を防ぐための策が必要なことなどはじめとする様々なハードルがある』と説明しています。

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中央銀行デジタル通貨の発行に伴う複数の課題

日本銀行は中央銀行デジタル通貨(CBDC)への需要が高まった時にスムーズに対応できるようにするためにCBDCに関する研究を続けており、今年10月には『2021年度の早い段階で一般利用型CBDCの概念実証を開始する』という計画なども明らかにされていましたが、ロイターの報道によると日本銀行の元決済機構局長である山岡 浩巳(やまおか ひろみ)氏は『日本がデジタル通貨を発行できるようになるまでには数年かかる可能性が高い』と語ったと報じられています。

"デジタル円の発行"には複数の課題が残されていると語る同氏は、課題の1つのとして「民間銀行の預金から巨額の円が出金される可能性があること」を挙げており、それを防ぐための解決策の1つのとして「CBDCの保有量に上限を設定すること」を提案しています。

しかしながら山岡氏はこの方法について『上限を課した場合にはCBDCの価値が高まることになり、現金や個人預金のような他の形態のお金との交換レートに影響を与えてしまう可能性がある』とも指摘しており、『そうなってしまうと結果的に支払いや決済の利便性低下に繋がり、CBDC発行の目的に反することになるだろう』と説明しています。

このように語る同氏は、中央銀行デジタル通貨の発行で非常に難しい問題は「個人預金とCBDCをどのように共存させるか」だと語っています。

基本的な問題でありながら、非常に難しくもある問題は「個人預金とCBDCをどのように共存させるか」ということです。個人預金からお金が急速に出金されてしまうことは好ましくありませんが、CBDCが広く使用されなければ発行しても意味がありません。

「民間企業との協力」の重要性も説明

山岡氏はロイターとのインタビューの中で『日本銀行と民間企業が協力すれば、デジタル決済をより便利にすることができる』とも述べており、『民間部門は様々な決済プラットフォームの互換性を高める上で重要な役割を果たす』と語っています。

日本銀行はCBDCの研究で民間企業と協力する姿勢もみせており、今年7月末には、中央銀行デジタル通貨の技術面に関する検討を行う際の参考とするために、ITシステムの開発や製品・サービスの提供を行っている事業者に対して情報提供の依頼なども行われています。

日銀は現時点でも『CBDCを発行する計画はない』ということを強調していますが、2021年度にはCBDCの概念実証が開始される予定となっているため、来年からはデジタル円に関する発表が増えていくことになると予想されます。

>>「ロイター」の報道はこちら

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