Ripple社:東南アジアで事業拡大へ|国際送金企業「Tranglo社」の株式40%を取得
Ripple(リップル)社は2021年3月30日に、アジアを代表する国際送金サービス企業「Tranglo(トラングロ)社」の株式の40%を取得することに合意したことを発表しました。同社は今回の提携を通じて、アジア地域で増加する需要に対応するとともに、暗号資産XRPを利用して即時送金と送金の運用資本の効率化を実現する「オンデマンド流動性(ODL)」の提供範囲を拡大していくと説明しています。
東南アジア地域で「ODL」の提供範囲を拡大
Ripple(リップル)社は2021年3月30日に、アジアを代表する国際送金サービス企業「Tranglo(トラングロ)社」の株式の40%を取得することに合意したことを発表しました。Ripple社はTranglo社との提携を通じて、アジア地域で増加する需要に対応するとともに、暗号資産XRPを利用して即時送金と送金の運用資本の効率化を実現する「オンデマンド流動性(ODL)」の提供範囲を拡大していくと説明しています。
Tranglo社は2008年に設立された「ビジネス決済・海外送金・モバイル決済ソリューション」などの分野で実績のあるアジアを代表する国際送金サービス企業であり、クアラルンプール・シンガポール・ジャカルタ・ドバイ・ロンドンにオフィスを構えています。同社のグローバルネットワークは「100ヶ国以上、2,500の携帯電話会社、1,300の銀行/ウォレット、130,000の現金受け取りポイント」にまたがって展開されていると報告されています。
Ripple社は『Tranglo社は、フィリピンなどの既存の送金経路(コリドー)でのサービス提供に加えて、現行ネットワーク内に新規ODLコリドーを導入する上でも重要な役割を果たす』と述べており、Ripple社がアジア地域内でODLを提供することによって、RippleNetユーザーはリップルの「Line of Credit(クレジットライン)」を活用して運用資金を確保しつつ、これまで以上に多くの市場で国際送金を行うことが可能になると説明しています。
Tranglo社の最高経営責任者(CEO)であるJacky Lee氏と、Ripple社のRippleNet担当ジェネラル・マネージャーであるAsheesh Birla氏は、今回の提携について次のようにコメントしています。
【Tranglo社:Jacky Lee氏】
Trangloは、国際送金の迅速化、低コスト化、セキュリティ強化の実現に向けて尽力しています。リップルとの提携を通じ、新規市場にODLを導入することで、誰もが平等に利用できる、金融サービスの提供を目指します。
【Ripple社:Asheesh Birla氏】
Tranglo社が提供する堅牢な国際送金インフラと優れた顧客サービスや品質は、東南アジア地域を皮切りとした、リップルのODLサービスの提供拡大を推進する上で理想的です。ブロックチェーン技術と暗号資産を活用し、国際送金の迅速化、低コスト化、セキュリティ強化を実現するという両社共通のミッションをともに遂行できることを嬉しく思います。
なお、今回の取引は規制当局の承認と通常の取引完了条件に従って2021年中に完了する見通しだとされています。また、取引完了に伴って、Ripple社の製品/デリバリー担当バイスプレジデントであるAmir Sarhangi氏と、東南アジア担当マネージング・ディレクターのBrooks Entwistle氏が「Tranglo社」の取締役会の一員となることも報告されています。
Ripple社は『東南アジアの送金市場では、各国独自のプロセスと送金インフラが導入されていて、地域における標準的な国際送金の統合機能が存在しないため、高コストな送金の回避策が必要となっている。東南アジアはRippleNetの採用が急速に拡大している地域の1つでもある』と述べており、Tranglo社への投資は東南アジア地域における送金エコシステムの拡充に向けたリップルのコミットメントの表れだと説明しています。
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