Mastercard:ブロックチェーン取引の信頼性強化へ|Polygon・Solanaなども協力
Mastercard(マスターカード)は2023年4月28日に、ブロックチェーン上で行われる取引の信頼性を高めることを目的とした新サービスとなる「Mastercard Crypto Credential」を提供する計画を発表しました。
「Mastercard Crypto Credential」とは
「Mastercard Crypto Credential」は、ブロックチェーン技術を用いた取引の信頼性を高め、それらの取引をより便利なものにするための取り組みであり、Aptos・Avalanche・Polygon・Solanaなどといった複数のWeb3プロジェクトが協力することも報告されています。
マスターカードは「暗号資産・ブロックチェーン業界では拡張性や柔軟性を高めるイノベーションが進んでいるが、適切な保護が欠如しているため、セキュリティとコンプライアンスに脆弱性があり、消費者・企業・政府の信頼を得られていない」と指摘しています。
規制当局は仮想通貨関連の規制整備に取り組んでおり、中央銀行や金融機関はパブリックチェーン上で様々なソリューションを開発していますが、マスターカードはこれらのルールを完全に実装して、拡張性のあるユースケースを構築するためには「パブリックチェーン上で信頼できる、コンプライアンスに準拠した、検証可能なやり取りを行う方法」が必要であると説明しています。
「Mastercard Crypto Credential」はこのような問題点を解決することを目的とした取り組みとなっており、具体的には以下のような取り組みが実施される予定だと報告されています。
共通基準とインフラの確立・実用性のための技術提供
「Mastercard Crypto Credential」では、パブリックブロックチェーンを利用する消費者や企業が信頼できるやり取りを行えるように「共通の基準」と「インフラ」を確立することが予定されています。
また、ブロックチェーン技術により多くの実用性をもたらすために必要となる技術も提供される予定で、具体的には以下のような例が挙げられています。
- ウォレットアドレスに覚えやすいシンプルな名称をつけれるようにして、消費者の体験を向上させ、エラーの可能性を低減する
- メタデータを通じてブロックチェーン取引に豊富な情報を提供し、取引が意図した通りに完了するよう、ウォレットの属性を定義するのを支援する(ネットワークの種類やサポートされている資産など)
- 「CipherTrace Traveler」を含むCipherTraceの一連のサービスを活用して、アドレス認証や国際取引時のトラベルルール遵守をサポートする
Mastercard・CipherTraceに関する記事はこちら
Polygon・SolanaなどのWeb3プロジェクトも協力
Mastercard Crypto Credentialの取り組みには「有名なパブリックブロックチェーンプロジェクトの組織」や「仮想通貨ウォレットプロバイダー」も協力しているとのことで、具体的には以下のような組織名が挙げられています。
【仮想通貨ウォレットプロバイダー】
- Bit2Me
- Lirium
- Mercado Bitcoin
- Uphold
【ブロックチェーン関連組織】
Aptos・Avalanche・Polygon・Solanaなどの関連組織は「Mastercard Crypto Credential」をそれぞれのエコシステムで展開されているアプリケーションの開発者に提供できるよう支援を行うとのことで、NFT・チケット販売・エンタープライズ・その他の決済ソリューションにおける検証を強化するために協力していくとも説明されています。
ブロックチェーンや暗号資産の開発は世界中で進められていますが、依然として使いづらさなどの問題は残っており、送金ミスなどの問題も頻繁に怒っているため、決済関連事業で豊富な経験を有するマスターカードがブロックチェーン関連の信頼性・利便性強化に取り組むことによって、暗号資産やブロックチェーンがより便利になり、業界全体の発展につながる可能性があると期待されています。