カルティエの親会社「Richemont」ブロックチェーンでダイヤを追跡
Cartier(カルティエ)のオーナーでもあるスイスの高級品企業グループであるRichemont(リシュモン)は、サプライチェーンに透明性をもたらすことを目的に、ブロックチェーン技術を活用しようとする動きをみせています。
ロンドンの政治経済学院であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics/LSE)の有名な経済学者であり、昨年Richemont(リシュモン)の取締役会メンバーにも任命されたJin Keyu(ジン・ケユ)氏は、7月12日に開催されたイベントのスピーチで、Richemontが市場を適切にコントロールするために、ブロックチェーン技術を活用する計画であることを語りました。
カルティエの親会社として、私たちはブロックチェーンを利用して宝石、金、ダイヤモンドの起源を鉱山やリサイクル工場まで遡って追跡するためにブロックチェーンの技術を活用することを決めました。
私たちが販売するすべての時計でもブロックチェーンを活用して出所を追跡することによって、その信頼性を立証することができればと考えています。
彼女はスピーチの中で、ブロックチェーン業界に参入する理由やそれらに学術的な関心を示していることについても説明し、マクロ経済学に関する専門知識を提供する顧問として、中国に本拠を置くブロックチェーンのスタートアップ企業である「Ultrain」に参加することを明かしました。
Jin氏は、ブロックチェーン企業は通常、"既存の学術的な研究結果に依存するのではなく、金融政策をゼロから見つめ直して構築しようとしていることが多い"と強調しました。
「私にとって、ブロックチェーンは経済全体の構造を本質的に再構築するものです。
これらの広範な問題を解決するには、ミクロ経済理論だけでなく、通貨、金融政策、規制などのマクロ経済学も必要であるため、非常に興味深いと思っています。」
jin氏はCoindeskに対して、"マクロ経済理論の観点から暗号化分野を調査しようとしている
"と語っています。おそらくこの研究には「価値の保存」「安全性」「決済手段」という"通貨の持つ3つの機能"を満たす仮想通貨を開発することが含まれていると考えられています。
元々は北京出身であるJin Keyu氏は、ハーバード大学で学士号、修士号、博士号を取得した後、LSEで最年少の修士号を取得しました。彼女は現在、さまざまな国際会議/ミーティングでマクロ経済分野のスピーカーとして招待されています。
Jin Keyu氏が所属する「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics/LSE)」は、ブロックチェーンの技術や仮想通貨が今の経済社会にどのような影響を与えるのか?といった内容の授業を受けることができるオンラインコースを8月中旬から開始することを発表しています。
Jin氏が所属するLSEの詳細はこちら
ビットコイン決済は宝飾品や高級時計などを販売するジュエリー業界を発展させています。シリコンバレーの仮想通貨投資家は、仮想通貨決済に対応している宝石店で数百万ドル(数億円)の決済に仮想通貨を利用しています。
仮想通貨決済で成長するジュエリー業界
ブロックチェーン技術や仮想通貨は、高級品を取り扱う企業やその顧客に大きなメリットをもたらします。Richemontのような大手企業がこれらの技術を導入することによって、今後もさらにジュエリー業界でブロックチェーン関連のサービスが普及が加速していくことになるでしょう。