メタプラネット、2027年までに21万BTC保有「555ミリオン計画」を発表

メタプラネット、2027年までに21万BTC保有「555ミリオン計画」を発表(Metaplanet announces '555 Million Plan' to hold 210,000 BTC by 2027)

この記事の要点

  • 2027年末までに21万BTC保有を目指す「555ミリオン計画」発表
  • 7,674億円の大規模資金調達、日本の資本市場で過去最大規模
  • 既にエルサルバドル政府のBTC保有量を超える8,888 BTCを保有
  • ビットコイン戦略への期待で株価は年初来275%上昇
  • 目次

    新たなビットコイン取得計画「555ミリオン計画」を発表

    東証スタンダード市場に上場する株式会社メタプラネットは2025年6月6日、2027年末までに累計21万BTCの保有を目指す新たな取得計画「555ミリオン計画」を発表しました。

    同社の公式発表によると、ビットコイン(BTC)追加購入のため5億5,500万株の新株予約権を発行し、約7,673億円の資金調達を行う計画です。これは日本の資本市場で過去最大規模の新株予約権発行となります。

    この大規模な資金調達により、メタプラネットは将来的にビットコインの発行上限2,100万枚の約1%にあたる21万BTCを保有する目標(「1%クラブ」入り)に挑みます。

    今回の555ミリオン計画は、今年初めに実施した「21ミリオン計画」の拡大版として位置付けられており、21ミリオン計画では2月までに約933億円を調達し、約9,000 BTCの保有を達成しました。

    この成功を受けて、新たな計画では2026年末時点のビットコイン保有目標を21,000 BTCから100,000 BTCへ大幅に引き上げています。

    メタプラネット、ビットコイン戦略の歩み

    2024年「ビットコイン・スタンダード」採用を宣言

    メタプラネットは2024年4月に日本企業で初めて「ビットコイン・スタンダード」採用を宣言し、主要財務資産をビットコインに転換する戦略を開始しました。

    その一環として2025年1月には、サイモン・ゲロヴィッチCEOは「2025年内にBTC保有量を10,000BTCまで増やす」という目標を掲げ、2月には「21ミリオン計画」と称して約2億1,000万株(株式分割考慮後)の新株予約権発行による資金調達を実施しています。

    「21ミリオン計画」で8,888 BTC 保有達成

    21ミリオン計画では最終的に約933億円を調達し、迅速な資金執行によってわずか5か月ほどで2025年のBTC保有目標(10,000BTC)の89%に相当する8,888 BTCを取得しました。

    この結果、同社のビットコイン保有量は世界企業ランキングで第10位(昨年末は第15位)に浮上し、アジア企業では第1位となっています。

    21ミリオン計画の成功によって、メタプラネットの「ビットコイン・ファースト」戦略に対する市場の支持が実証された形となりました。

    メタプラネット資料の画像21ミリオン計画の成功(画像:メタプラネット資料

    「555ミリオン計画」始動、アジア最大規模の資金調達へ

    新株予約権で7,674億円調達へ

    この成功を踏まえ、同社は6日に新たな「555ミリオン計画」を発表し、さらなる増資によってビットコイン取得ペースを大幅に加速させる方針を示しました。

    具体的には、新株予約権の発行可能枠を5億5,500万株へと大幅拡大し(発行済株式数比で約92.4%に相当)、調達資金の約96%をビットコイン購入に充当する計画です。

    発行される新株予約権は、株価に応じて行使価格が変動するMS(ムービング・ストライク)ワラントで、全て行使された場合の総調達額は約7,674億円に達します。

    メタプラネット資料の画像555ミリオン計画(画像:メタプラネット資料

    EVO FUNDとの戦略的パートナーシップ

    この増資規模はアジア史上最大級のビットコイン取得目的のエクイティ調達となり、国内初となる「現在株価以上」でのMSワラント発行事例でもあります。

    資金調達の受け皿となる割当先はケイマン諸島籍の投資ファンド「EVO FUND」です。

    同ファンドは過去にもメタプラネットの資金調達で継続的に新株予約権を引き受けています。今回の予約権全額を引き受ける十分な資金力を有している投資ファンドです。

    株式価値の過度な希薄化を避け株主利益を保護するため、東京証券取引所の規則に基づき月間で行使できる上限を発行済株式数の10%以内に制限するなどの措置も講じられます。

    また、発行側で行使タイミングを停止指定できる条項も備えることで、市場への影響を最小限に抑えながら機動的に資金調達を行う狙いです。

    BTC長期戦略が株価275%上昇を後押し

    メタプラネットは調達した資金を社債償還やデリバティブ取引にも一部充てつつ、ビットコインの長期保有を企業価値向上の主軸に据える方針を改めて強調しています。

    同社はビットコインを日本の長期的な低金利・円安へのヘッジ手段と位置付けており、現在の価格動向に関わらずビットコインを売却せず保有を続ける長期スタンスを明言しています。

    このビットコイン蓄積戦略への期待から、メタプラネット株は2025年年初来で275%以上の大幅上昇を記録し、国内株式市場でも注目を集める異例の値動きを見せています。

    国家レベルのビットコイン戦略に挑む日本企業

    エルサルバドルを超えるBTC保有量に到達

    メタプラネットは直近の追加投資として、6月2日に1,088 BTCを追加購入し、累計保有量を8,888 BTCに到達させたことを明らかにしています。

    この保有残高は中米エルサルバドル政府の公式保有量(6,174 BTC)を上回っており、ゲロヴィッチCEOは自身のX(Twitter)で次のように述べ、国家の公式保有量を超える規模に達したことを強調しています。

    メタプラネットのビットコイン保有量がついにエルサルバドルを超えました。

    小さな一歩から始まった歩みは、いまや国家に匹敵する規模に——そして、これはまだ始まりにすぎません。

    海外からも注目される「日本版ストラテジー」

    同社の大胆な戦略から「日本版ストラテジー(旧マイクロストラテジー)」とも称される動きは海外からも注目されており、21万BTCという目標が実現すれば単独企業として世界有数のビットコイン保有者となる見通しです。

    米国の上場企業ストラテジー社は記事執筆時点で580,955 BTCを保有していることが明らかにされており、メタプラネットの目標はこれに次ぐ規模となります。

    日本企業にも拡大するビットコイン戦略

    日本国内ではこれまで、企業が数千BTC規模でビットコインを保有する例は限られていました。

    しかし、メタプラネットの積極的な取得戦略やゲーム企業gumiによる約10億円相当のBTC取得計画の発表など、企業の仮想通貨活用が徐々に広がっています。

    こうした流れは市場関係者の関心を集めており、国内の金融機関や規制当局も企業のビットコイン活用拡大に伴う対応を迫られる可能性があります。

    メタプラネットは今後も積極的な資金調達を通じて日本円をビットコインに換える戦略を継続し、BTC保有枚数の着実な増加を目指します。

    同社のこうした大胆な取り組みは、国内の仮想通貨業界のみならず、世界のビットコイン市場からも大きな注目を集めています。

    ※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.85 円)

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    Source:メタプラネット公式発表
    サムネイル:AIによる生成画像

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    Written by

    BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

    2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
    これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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