仮想通貨CEOら60人超が書簡提出、クラリティ法案「開発者保護条項」維持を要求

仮想通貨CEOら60人超が書簡提出、クラリティ法案「開発者保護条項」維持を要求

この記事の要点

  • 仮想通貨CEO60人超が米上院に書簡、クラリティ法案の即時可決を要請
  • 開発者保護条項が欠ければ法的確実性は不十分と警告、上院採決が焦点
目次

CEOら「法的確実性なければ革新止まる」と警告

仮想通貨業界の経営トップら60人超は2026年6月9日、米上院のジョン・スーン院内総務とチャック・シューマー院内総務に宛てて、市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」を開発者保護条項を含む現行の形で可決するよう求める連名書簡を送付しました。

署名者らは「ビットコイン(BTC)のコア開発から新たなDeFi(分散型金融)スマートコントラクトの設計まで、開発者がコミュニティ主導のソフトウェアを構築・維持するためには明確な法的確実性が欠かせない」と訴えています。

署名には、Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロング氏やBlock(ブロック)のジャック・ドーシー氏、Solana Labs(ソラナラボ)のアナトリー・ヤコヴェンコ氏らが名を連ねています。

書簡の求める形で法案が成立すれば、顧客資金を管理しないソフトウェア開発者やサービス提供者は、資金送金業の登録義務や刑事訴追の対象になるかどうかを、条文に基づいて事前に判断できるようになる見通しです。

開発者保護条項BRCAとクラリティ法案の争点

第604条、顧客資金管理外の開発者を保護

書簡が維持を求めたBRCA(ブロックチェーン規制確実性法)は、クラリティ法案の第604条として組み込まれており、他者の資金を管理しないソフトウェア開発者やサービス提供者の法的扱いを明確化する内容となっています。

書簡は同条項について、銀行秘密法(BSA)を所管する連邦規制当局の運用方針と刑法の規定を整合させることで、顧客資金を管理しない開発者に必要な明確性をもたらすと説明しています。

署名者らはあわせて、開発者やサービス提供者に証券法・商品取引法がいつ適用されるかを明確化する「クラリティ法案第601条」と、上院農業委員会のデジタル商品仲介業者法「第207条」の保護規定も維持するよう求めました。

そのうえで書簡は「明確な境界線は執行を弱めるのではなく、合法的な活動と違法・非準拠の行為を区別することで執行を強化する」と述べ、不正資金対策などを定めた法案の第2編・第3編を歓迎する姿勢も示しています。

こうした仲介型の金融サービスと分散型プロトコルとの線引きが法律で定まれば、米国の企業は自社サービスの規制区分を把握したうえで、事業展開の判断を進めやすくなるとみられています。

「BRCAなければ確実性は不十分」書簡の主張

これらの保護規定を含むクラリティ法案は、2025年7月17日に米下院で賛成294・反対134の超党派多数により可決され、上院に送付されました。

上院では審議が一時停滞したものの、上院銀行委員会が2026年5月14日に法案を15対9の賛成多数で可決し、法案は上院本会議の審議日程表に登録されています。

採決を前にしたこのタイミングで送付された書簡のなかで、署名者らは「現行の形のBRCAがなければ、市場構造法案は米国の幅広いイノベーションを支えるために必要な確実性を提供できないおそれがある」と指摘しています。

法案成立までに残る「60票」の壁

ただし、法案が上院本会議で可決されるには、議事妨害(フィリバスター)を回避するための60票の賛成が必要で、共和党に加えて民主党側からも一定の賛成を集めることが前提になります。

上院で可決された場合も、先に通過した下院版との条文の一本化や大統領の署名に至る手続きが残っており、成立までにはなお複数の段階を通過する必要があります。

署名者らは書簡の結びに、法案をここまで推し進めてきた議会への謝意とともに「米国の開発者に明確なルールが整い、仮想通貨(暗号資産)のイノベーションが米国で花開くことを期待している」と記しました。

採決スケジュールとBRCA修正可否が焦点に

書簡が送られた米国では、仮想通貨の市場構造に関する立法審議が大詰めを迎えており、開発者保護を定めるBRCAの扱いをめぐる議論が議会の内外で交わされています。

同条項をめぐっては、法案が成立しないまま規制当局の方針転換が起きれば、コードの公開だけで開発者が訴追される可能性があるとして、シンシア・ルミス上院議員が警鐘を鳴らしてきました。

法案全体に目を向けると、上院銀行委員会での可決時には民主党側で賛否が分かれた経緯があり、本会議の採決へ向けては党派間の調整という課題がなお残るとも指摘されています。

ステーブルコインの利回り規定など他の争点も残るなか、法案の最終条文がどのような内容で確定するかは、業界各社の事業運営や規制対応に影響を与える要素となっています。

上院本会議の採決日程や、委員会を通過したBRCA条文が修正されるかどうかが、法案成立に向けた今後の審議工程として残されています。

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Source:BRCA連名書簡(PDF)
サムネイル:AIによる生成画像

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